■リゾット缶で新たな取り組み

不安をかきたてるようなことを書いたが、岩手缶詰ではすでに新しい取り組みを始めている。そのひとつが2022年に発売された「魚介のリゾット缶」シリーズだ。
いわゆる「ごはん缶詰」の一種で、コメは玄米を使用している。白米よりも食物繊維やビタミン類、ミネラル類を多く含んでおり、かつ水分量を多くして製造すれば、常温でも柔らかい状態が保てるのが缶所(勘所)であります。
味のバリエーションは「イナダのトマトリゾット」「イカのクリームリゾット」「サバのカレーリゾット」の3種類がある。
■災害備蓄食にも良し

なかでも珍しいのは、イナダを使ったトマトリゾットだ。イナダは出世魚と呼ばれるブリの、成長途中の若い奴だから、魚価はブリほど高価じゃない。それでも水揚げはされるので、こうして原料として活用できる。
味付けはバジルが利いたトマト味で、酸味と甘味の両方が濃くウマウマ。イナダは初めて食べたけど、やっぱりブリっぽい味であります。
そして、玄米が常温のままでも柔らかいのがいい。あまり噛まなくても食べられるほどだから、そしゃく(かむこと)やえんげ(飲み込むこと)が苦手な高齢者でも食べやすいと思う。つまり、災害備蓄食としても優秀だ。
■中身はまさかのアレ?

そして、岩手缶詰の最新の商品がこれ。ラベルのデザインがアンリ・マティス風でとても可愛いのだ。しかし気になるのは中身である。ラベルに描かれた丸い物体は何なのか? まさかのアレなのか?