■缶詰のオイルで食材を煮る

はじめに、クッカーに缶詰のオイルだけを入れる(鶏肉は缶の中に取っておく)。そこにホールトマト缶、みじん切り玉ネギと刻んだパクチーを入れて火に掛ける。火加減は弱めの中火くらいで、ときどきかき混ぜながら煮詰めてソースを作る。つまり食材をオイルで煮るわけだ。
本来のチラキレスは水で煮て作るから、こうして作ると仕上がりがややオイリーになりそうだけど、きっとおいしく出来ると思う。何しろこのオイルには、鶏肉の旨味とガーリックの風味がたっぷり沁みだしているからだ。
■肉は風味を生かすために煮込まない

ソースがある程度煮詰まったら、火から降ろして鶏肉を投入。軽くほぐしてソースに馴染ませる。
鶏肉を最初から入れて煮込まないのは、肉の風味を生かすためだ。このマテ茶鶏缶に限らず、缶詰の肉は加熱調理済みなので、さらに熱を加えると食感が固くなる。また、肉に含まれている水分と脂分も流出してしまうのだ。
さて、このソースを皿に並べたトルティーヤチップスの上からかけて、シュレッドチーズとパクチーをトッピングすれば缶成だ!
■食感はあんかけかた焼きそば!?

かくのごとし。初めて作ったけど、これがチラキレスというものらしい。本来は水で煮るところを缶のオイルで煮るなど、いくぶん独創的ではあるけど、まあ良し。
全体的には玉ネギの甘さがある優しい味で、そこにトマトの酸味、ガーリックのパンチと鶏肉の旨味が混ざり合っている。合間に顔を出すパクチーが爽やかで、どんどん“追い”パクチーをしたくなる。それと、この食感はあれです、あんかけかた焼きそばにそっくり。トルティーヤチップスはもともとパリパリしてるけど、ソースがかかったところは柔らかくなっていて、その2種の食感が楽しい。
今回使ったマテ茶鶏のオリーブオイル漬けは、缶つまシリーズのなかでも“初期メンバー”であり、2011年に発売されている。今年で発売から14年という、ロングセラー商品であります。原料に使われているマテ茶鶏は、ビタミン、ミネラル類を豊富に含むマテ茶を飼料に加えて育てたブランド鶏で、肉に鶏肉特有の臭み(鉄分っぽい匂い)がなく、加熱後もしっとり柔らかい特徴がある。
端的に言えば肉片がデカいし量も多い。ガーリックの風味とオリーブオイルをうまく使えば、食材の“肉”としてちゃんと活躍しますぞ!
<今回の缶詰情報>
国分グループ本社「缶つま・マテ茶鶏のオリーブオイル漬け 150g」