2015年に火山活動が活発化し、登山道が閉鎖されていた「箱根山」だが、2024年7月19日に防ヶ沢(ぼうがさわ)登山口からピークのひとつである「駒ヶ岳(こまがたけ)」までの登山道が、2025年3月28日には「駒ヶ岳」から箱根山山頂である「神山(かみやま)」までの登山道が開放され、約10年ぶりに箱根山の登頂が可能になった。
今回は登山道が開放された翌週の4月上旬に箱根山の「駒ヶ岳」と「神山」へ訪れたときの様子を紹介する。
■箱根の展望台「駒ヶ岳」で絶景を満喫!


箱根山のピークのひとつである「駒ヶ岳」は標高1,356m、広い山頂と眼前に広がる絶景を求めて、登山客だけでなく観光客も多く訪れる人気スポットだ。
入口となる防ヶ沢登山口には駐車場がないため、車の場合は桃源台駅や湖尻バス停周辺の駐車場に停めて向かうことになる。公共交通機関は伊豆箱根バスの湖尻バス停や、富士芦ノ湖パノラマパークバス停など付近のバス停から約30分だ。
防ヶ沢登山口から駒ヶ岳山頂までは約1時間半。登山道はよく整備されていて危険な場所はないが、粘性土で濡れると滑りやすいため、雨の後は注意が必要だ。登山道からの眺望は少ないが、広々とした山頂は360度遮るものはなく、各所に設けられた展望台からは富士山や芦ノ湖、相模湾などの絶景が楽しめる。
また、芦ノ湖東岸にある箱根園から箱根駒ヶ岳ロープウェーを利用すれば、約7分の空中散歩を楽しみながら山頂に行くことも可能だ。
登山をしてゆっくりと絶景を楽しみたい場合は、7時頃から登り始めると観光客を乗せたロープウェイの到着よりひと足早く山頂まで行けるのでおすすめだ。

■10年ぶりに登山ルートが開放された神の山「神山」へ登る!


駒ヶ岳で絶景を堪能した後は、箱根元宮にお参りして「神山」に向かう。 神山は標高1,437.7m、日本三百名山「箱根山」の最高峰だ。山腹にある大涌谷(おおわくだに)では現在も噴気が上がり、箱根のシンボル的な存在といえる。
「神山」は古代より山岳信仰の対象とされており、その起源は約2,400年前ともいわれている。現在も年に1回、駒ヶ岳山頂で祭祀が行われ、信仰を今に伝えている。
駒ヶ岳山頂から神山までは約1時間。防ヶ沢分岐から神山までの登山道は、駒ヶ岳までの登山道と比べると道も細く、登山道を覆うように低木が左右から枝を伸ばしている場所もあり、足元だけでなく目線や頭上の状況に気を配りながら歩く必要がある。
登山道の眺望はあまりよくないが、10年間閉ざされていたご神体の山を登っていると思うと、登山道と木々の織りなす光景に幻想的な雰囲気を感じずにはいられなかった。
今回は、前日に降った雪の影響で山頂付近は季節外れの雪化粧となっていたが、春から初夏の時期は花や新緑が楽しめるだろう。
なお、神山から先の大涌谷方面への登山道は現在も立入禁止となっている。噴気を上げる神山の姿が見たい場合は、一度下山してから大涌谷観光へ。