長野県の梓川(あずさがわ)上流にある「上高地」は、標高約1,500mに位置し、年間120万人以上が訪れる日本を代表する山岳景勝地だ。毎年4月27日に開山祭が行われ、上高地の観光シーズンが本格的にスタートする。

 今回は、筆者が6月に訪れたときの様子と共に、シーズンを迎えた上高地の魅力をお伝えする。

■新緑の「上高地」でハイキング

河童橋から見た穂高連峰と梓川

 上高地は国の特別名勝と特別天然記念物、さらには国立公園に指定されており、3,000m級の山々が連なる北アルプス南部の穂高連峰が一望できる。

 上高地は通年マイカー規制が行われているため、松本方面からマイカーの場合、沢渡(さわんど)駐車場からシャトルバスまたはタクシーなどを利用する。

 公共交通機関の場合、松本駅から上高地までは松本電鉄上高地線で新島々(しんしましま)駅まで約30分、新島々駅からバスでおよそ1時間。新島々駅から沢渡・上高地のバスは2025年度より往復共に予約が必要となったため注意しよう。また、シーズン中は各都市主要駅から直通バスやバスツアーが催行されている。 

●ハイキングのスタート

新緑が美しい大正池付近のハイキングコース

 筆者は当日、名古屋から上高地までの往復バスと弁当がセットになった日帰りバスツアーに参加した。

 バスの行き先は上高地のシンボル「河童橋」に近い上高地バスターミナルだが、大正池バス停での降車も可能だったため、途中下車してハイキングをスタートした。

 「大正池」から河童橋までは片道約4km・80分ほどで、往復およそ3時間。このルートはスニーカーでも歩くことができるほど整備されている。途中、梓川を眺めながら進む「梓川コース」と、森林浴しながら歩く「林間コース」に分かれる。なお、4月26日時点で林間コースは通行可能だが、ところどころ残雪があり、足元には注意が必要とのこと。梓川コースは昨年浸水被害があり、今年はシーズンを通して通行止めの見込みとのことで、復旧が待たれる。

 また、河童橋より先の明神池や徳沢まで行く場合はトレッキングシューズ推奨なので、行き先により準備してほしい。

●立ち枯れた木が神秘的な「大正池」から「河童橋」へ

立ち枯れた木が印象的な大正池

 大正池は、1915年に起こった焼岳の大噴火で梓川がせき止められて形成された。水没した当時の原生林が立ち枯れて池の中に今も残っており、神秘的な雰囲気を醸し出している。

 その後の分岐では新緑を楽しむために、林間コースを歩いた。木々から芽吹いた黄緑色の葉が、木漏れ日に透けて美しい。

●上高地のシンボル「河童橋」

上高地を代表する人気スポット・河童橋

 河童橋は1910年に架けられた木造の吊り橋で、老朽化などで架け替えられ現在5代目だ。橋の上から雪を冠した穂高連峰や梓川の流れ、焼岳などを望める上高地を代表する人気スポットである。

 旅行雑誌などでよく見る絶景を目の当たりにして、あまりの美しさに言葉が出なかった。筆者が以前訪れたときは雨で、晴天の下ではこんなに景色の見え方が違うのかと驚いた。

 

【上高地(大正池〜河童橋)ハイキング】所要時間
大正池バス停(0:00) → 大正池(0:05)→ 田代池・田代湿原(0:35)→ 田代橋・穂高橋(1:05)→ 河童橋(1:40)
歩行距離:約4km
合計所要時間:1時間40分

上高地
住所 〒390-1516  長野県松本市安曇上高地

ホームページURL:https://www.kamikochi.or.jp

●【MAP】上高地