「使い捨てカメラ」というと筆者にとって、すでに廃れてしまったラジカセのようなノスタルジックな代物。

 しかし、最近はフィルムの持つ独特の風合いが若者を中心に見直され、ノスタルジックな雰囲気が「エモい」というらしく、ちょっとしたブームになっている使い捨てカメラ。

 時代は変わり、現在は完全リサイクルが行われて「レンズ付きフィルム」と呼ばれている、そんな小さなカメラを持って登山に出かければ、新しい思い出や楽しみの形となるはず!

 山でも手軽に撮影できるスマホでのデジタル撮影とレンズ付きフィルムとの比較。実際に筆者が入手した方法や現像からプリントまで解説もするので、ぜひノスタルジックなフィルム撮影の世界にお付き合いいただきたい。

■ノスタルジックさでブーム?  レンズ付きフィルムの魅力とは?

淡い色調が柔らかい印象のフィルム写真

 筆者のレンズ付きフィルムの思い出といえば修学旅行。手当たり次第に撮りまくって、お土産屋さんで追加購入したことが懐かしい。

 筆者と同年代の方々には懐かしいアイテムだろうが、スマホでの高画質な撮影に慣れている現代の若者世代にとっては、また別の魅力があるようだ。

 現像してプリントするまで撮影したものを確認できないというタイムラグにワクワクさせられる。レトロでノスタルジックなフィルム写真独特の風合いもエモいと、その魅力に挙げられている。

 また、撮影できる回数に制限があり、じっくりと被写体と向き合い撮影するという行為そのものが「良い」という意見もあるようだ。

●登山の視点から見るレンズ付きフィルムの魅力

 出来上がった写真そのものの魅力としては、様々な意見があるだろうが、登山に焦点を合わせると個人的にはレンズ付きフィルムは非常に軽いという点を推したい。

 高機能な一眼レフカメラなどを手にしたこともあるが、ずっしりと重く取り扱いもかなりデリケートな印象だった。

 一方でレンズ付きフィルムはパッケージに入った状態で実測91g!

 スマホと比べてもかなり軽いので、登山の際に持ち歩いても苦にならないだろう。また、高価なカメラと違い少々ラフに扱ってもいい気楽さもありがたい。

 フィルム写真独特の風合いと持ち歩きが苦にならない軽さ。そして、ラフに扱える気安さがいつもと違う山の楽しみ方にちょうどいい。