■城主要部に見事な土塁が待つ

 堀切を越え、切岸を再び気合を入れて登り切る。これでようやく、城の主要部にたどりついた。縄張図でいうと、中央右の台形が横倒しになったような曲輪の右下のカド。

縄張図再掲(聖徳寺の案内板より) 
樹木が生い茂る曲輪内

 相変わらず木立は多く見通しはイマイチだが、かなりの広さの平坦地が広がっている。落ち葉と枯れ枝を踏みながら進むと、左手にこんもりとした丘状の高まり。

山頂部の主郭。右側の斜面は切岸か?

 標高82mの山頂部、主郭はこの上。あの上には後で上ることにして、台形の曲輪をさらに奥へと進む。すると北端にあたる部分に、見事な土塁があった。

※土塁(どるい):土を盛って土手状にした構造。曲輪の外周部に多い

土塁上は幅数十cmほどの幅あり
西側から土塁全体。右が曲輪内

 そして土塁の外側を覗いてみると──。

土塁の外側は当然のごとく、急角度の切岸

(後編に続く)

●【MAP】周布城跡(島根県浜田市)

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