お正月の出来事。突然、みぞおちを殴られたかのような激しい痛みで目が覚めた。「えっ?  誰かに殴られた?」、起き上がろうとして再び痛みに襲われる。激しい腹痛だと気づいたのはそのときだった。

■心当たりはただひとつ

3枚におろしたサバ。このときはアニサキスを完全に排除したつもりになっていた

 最初の痛みから5分ほど経ってようやく痛みが落ち着いた。過去にも経験したこの痛みの正体にはすぐに思い当たった。「アニサキス」だ。先日釣った東京湾のサバを炙り〆サバにして、つい数時間前に美味しくいただいた。当然、内臓まわりに寄生したヤツに注意を払ったつもりだったが、身の方に潜り込んだものの除去が不完全だったようだ。

■眠れない戦いが開幕

 実は筆者のアニサキス被害は今回で3度目だ。初めてのときは予兆なしの急な痛みに病院へ駆け込んだ。2回目は今回と同様に、絶品のサバでクリティカルヒット。

 痛む場所はみぞおち周辺。内臓を強く握り潰されるような痛みが、間隔を空けて不定期でやってくる。初めてのときは、この不意にやってくる猛烈な痛みに耐えられず病院に駆け込んだ。

 少し落ち着いたかなと思い眠りにつくと、アニサキスが寝かすまいと再度攻撃してきた。症状には個人差があるようで、嘔吐や下痢が伴う人もいるらしいが、筆者の場合はこれまでは腹痛だけ。今回も腹痛のみであってくれと願いながら、細切れの睡眠で朝を迎えた。

 痛みのないときは食欲もあり、いつも通りの食事をとったが、その後はしだいに痛みと共に吐き気がするようになった。仕事があったため電車に乗ったが、車内では特に辛く、乗り物酔いを併発。何度も途中下車して、平然とした顔を装いつつ痛みが落ち着くタイミングと、次の電車を待った。