科学の進歩とともに釣具も日々進化しており、その一つが糸(ライン)である。海のルアーフィッシングにおいては、ナイロン素材からポリエチレン素材のPEラインが主流へと変化していった。
■そもそもPEラインってなに?
●PEラインとは
近年の釣りを大きく進化させたPEラインはポリエチレン素材の糸で、一般的によく使われているナイロンラインなどよりも、細いうえに引っ張りに強い。そのため、より大きな魚を釣り上げられるようになり、さらに遠くへルアーを投げることもできるため、釣りビギナーにもおすすめの糸である。
しかし、いざ釣具屋で購入しようとすると糸の太さを示す号数表記に加えて「×4」、「×8」、「×12」などの数字もパッケージに記されており、ここ数年で種類がさらに細分化されてきた。
●PEラインの表記の意味
結論からいうと「×4」、「×8」、「×12」の表記は編んでいる原糸の数のことである。ナイロンなどの糸が1本(単一繊維)であるのに対し、PEラインは何本かの原糸(細いポリエチレンの糸)を編んで1本の糸にしている。つまり、「×12」であれば12本の原糸を編み込んで作っているPEラインという意味なのだ。
■原糸が多いPEラインの特徴
●原糸の数が多いPEラインの特徴は主に3つ
- 強度が強くなる
- 糸がしなやか
- 価格が高い
編み込まれている原糸は、多い方が原糸1本あたりに掛かる負荷が軽減されるため、直線強度が増す傾向にある。さらに、しなやかな糸になるので飛距離も伸びやすい。そして素晴らしいメリットと引き換えに、原糸は多い方が高価になる。
「×8」や「×12」といった表記のPEラインは飛距離を必要とし、強い引きにも耐えなければならない青物釣りなどに最適である。