釣り竿のグリップ部分の材料として代表的なコルク。コルク製のグリップは使い込むほどに風合いを深め、美しい魚との記念写真でも見栄えがよく魅力的だ。
また、コルクグリップは簡単に修復可能な利点もある。今回は筆者が誤って破損してしまったコルクグリップの末端部分「グリップエンド」のDIYによる修復方法を紹介する。
■足を滑らせてグリップエンドを強打
そもそもグリップエンドを破損してしまった経緯だが、渓流でのルアーフィッシングを楽しんでいる最中に転倒し、グリップエンドを地面に打ち付けてしまったことが原因だ。
筆者が特に好きなアユ釣りの合間を縫って渓流ルアーフィッシングに出掛けた際、ルアーフィッシング用のフェルトスパイクのシューズを履いていたが、アユ釣りの時に履いているフェルトスパイクのシューズとグリップの感覚が若干異なり、丸石の上で思いのほか滑ってしまった。
シューズの裏(靴底)を確認したところ、ルアーフィッシング用とアユ用の靴裏のパターンが、同メーカーの製品ながら異なっていることに気付いた。
ルアーフィッシング用は山あいの渓流を想定しているのか、スパイクの本数が少なくフェルトによるグリップに重きがおかれている。一方のアユ用は真夏の河川でコケが付いた石を歩くことが多いため、スパイクの本数が多いのだ。その微妙な感覚の違いが足を滑らす原因になったようだ。幸いケガもなく破損したのが修復可能なコルクグリップであったことが不幸中の幸いであるが、シーズン中に異なるシューズを履き分ける際は今後留意したい。
■用意するもの
修復に用意した材料はグリップエンドの単品パーツとコルク補修用のパテの2点だ。どちらもECサイトで購入可能で、少しマニアックな釣具店や大型店舗であれば、店頭でも扱っているだろう。
そのほか、形を整えるための#240程度のサンドペーパー、仕上げ用の#600~#800程度のサンドペーパー、マスキングテープ、カッターナイフ、パテを扱うヘラなど(筆者はマイナスドライバーで代用)があれば修復可能だ。
今回は最後にグリップ全体を仕上げ用サンドペーパーで磨いた。その際にリール取り付け部の保護に養生テープを使用したが、マスキングテープでも代用可能だ。
■余分なコルクグリップを切除する
まずは破損してしまったグリップエンドの凸凹している断面をカッターナイフで切除。
グリップ内部に通っているブランクス(ロッド本体)を露出させ、グリップエンドパーツの凹みと嵌め合わせて強度を高めるねらいだ。
この際にできるだけ真っすぐカッターを入れることで、グリップエンドパーツとコルクグリップの位置が決まりやすく、合わせ目も綺麗に仕上がる。
■パテを盛る
続いてパテを盛って接着していく。パテはグリップエンドパーツとコルクリップの合わせ目にできた隙間を埋める役目も果たすため、パーツを合わせた際に余分なパテが飛び出てくるくらい多めに使用した。
飛び出してきたパテは硬化する前にウエスなどでふき取っておけば、あとのサンドペーパーで削る工程が楽になる。