富士山の北麓に広がる、富士五湖と呼ばれる湖。西から順に、本栖湖(もとすこ)・精進湖(しょうじこ)・西湖(さいこ)・河口湖・山中湖があり、それぞれが富士箱根伊豆国立公園に含まれる世界遺産の構成要素である。

 富士五湖の形成には、富士山の火山活動が深く関わっている。かつて富士山の周囲にあった大きな湖が、富士山噴火の溶岩流によって分断され、現在の富士五湖が形成されたと考えられているのだ。

 そんな富士五湖からさらに西、山梨県西八代郡市川三郷町(にしやつしろぐんいちかわみさとちょう)に四尾連湖(しびれこ)という神秘的な雰囲気を持つ湖があるのをご存知だろうか。わずか周囲1.2kmの小さな湖だが、水底に棲む竜神と干ばつ時の雨乞い信仰の伝説でも知られている。近年は、自然豊かな景勝地としてキャンプやバードウォッチング、ハイキングなどのアクティビティも人気だ。

■コースの紹介

四尾連湖キャンプ場から蛾ヶ岳を目指すピストンコース(国土地理院地図より引用)

●四尾連湖へのアクセス

 マイカーを利用する場合、中央自動車道・甲府南ICまたは中部横断自動車道・増穂(ますほ)ICから40〜50分でアクセスできる。四尾連湖畔には、蛾ヶ岳(ひるがたけ)登山者専用の駐車場があり、駐車料金は500円。管理している水明荘(すいめいそう)の軽トラックが入口に停まっており、わずかに開いた助手席の窓から料金を投入するユニークなシステムだ。

 なお、公共交通機関でアクセスする場合は、JR身延線・市川大門駅からタクシーで約30分を要する。

●標準コースタイム

【四尾連湖キャンプ場から蛾ヶ岳ピストンコース】所要時間
四尾連湖キャンプ場 (0:00) → 小高山 (0:30) → 蛾ヶ岳 (1:30) → 小高山 (2:30) →大畠山 (3:00) → 四尾連湖キャンプ場(3:40)
歩行距離:約6.7m
累積標高差:登り 580m、下り 580m
合計所要時間:3時間40分