冬型の気圧配置になることが多くなり、いよいよ冬本番だ。標高の高い山はエキスパートだけが入れる世界となる。

 しかしこれからの時期、まだまだ登山を楽しみたい人は多いだろう。そんな人に今回は箱根・金時山(きんときやま・標高1,212m)へ登るコースを紹介したい。長尾峠からのピストンコースはアップダウンがあり、バリエーション豊かな山歩きを楽しめ、絶景を満喫することができるおすすめコースだ。

■長尾峠から丸岳を経由し、乙女峠へ

長尾峠から丸岳へと向かう。登山道はひらけており気持ちがいい

 スタート地点となるのが、標高911mの長尾峠(ながおとうげ)だ。長尾峠は芦ノ湖スカイラインの入り口付近にある。富士山の眺めがよく、御殿場富士見十二景にも選出されている場所だ。

 標高の低い場所からの登山は時間を要し、長い樹林帯歩きの末に景色に辿り着くケースが多いが、紹介するコースはスタート地点から絶景が楽しめるのが魅力だ。

 長尾峠で富士山を満喫後、要所で富士山の景色を楽しむことができる。歩き出すと箱根一帯を眺めながらの山歩きになり、こちらもまた絶景だ。

登山道からみた箱根山と芦ノ湖

 長尾峠から約50分ほどで丸岳(まるたけ)へ到着する。標高1,156mの丸岳山頂には展望台があるほか、ベンチが設置されており、休憩するのにぴったりな場所だ。

 金時山は日本三百名山のひとつに選ばれている山で、箱根エリアでも特に人気の山だ。人気の高さゆえ、コースによっては混み合うこともあるが、長尾峠からは人が少なく、静かな山歩きを楽しむことができた。

 丸岳を過ぎると、乙女峠までは一旦下りとなる。乙女峠までは約40分ほどで到着でき、樹林帯の間から富士山の景色を楽しめる。ここからしばらくは富士山の見えない区間となるので、富士山の勇姿を楽しみながら歩くといい。

■乙女峠から急登を登り金時山へ

 乙女峠まで下ってきたが、ここから長尾山、金時山へは登りとなる。長尾山から先、金時山までは特に急な区間で、高低差の大きい岩などが連続する箇所もあるため、気をつけて進みたい。

 長尾山の山頂は眺望はないがスペースがあるため、急登に備えてここで一旦息を整えるといい。乙女峠から長尾山を経由し、金時山へは約1時間15分。ゴール目前が一番急な登りのため堪えるが、急登と格闘していると「金時山」と書かれた看板と建物が見えてくるとまもなく山頂だ。

急登の先に見えてきた山頂