釣りと切っても切れない関係にあるのが車だ。釣りのスタイルにもよるが、荷物が多いことや、釣り場へのアクセスで僻地に行くことが多いためである。

 アウトドアアクティビティで使用する車に求められる条件といえば積載性が筆頭だが、釣りは一人ひとりのスタイルによって重要視する条件が異なってくる。

 この記事では「釣りで使用する車」に求める条件とその基準を5つ解説する。

■積載性

筆者は衣装ケースと自作した棚板で積載性を向上させている

 釣り人が車に求める条件として筆頭に挙げるのが、釣り道具などを大量に積むことができる積載性だ。ワンボックスや軽ワゴンが釣り仕様車に選ばれる最も大きな理由といえよう。

 日頃どのような釣り場に通っているかにもよるのだが、積載性の目安になるのがリットル単位で公表されている荷室容量だ。

 SUVやステーションワゴンなら、400Lあれば一人分の釣り道具一式を積み込むことができるだろう。軽ワゴンは100L前後が大半だが、後席を格納すれば500L程度の容量を確保できる。

 しかし、メーカーのカタログに記載された荷室容量はあくまでも目安なので、これだけでは計れないところもある。

 荷室全体の容量がたとえ多くなくても、荷室ドアの大きさと荷室の高さがあれば棚を設けるなどして、積載性や荷物の出し入れをスムーズにすることができる。またルーフボックスを後付けする方法もあるので、積載性は意外と融通が効くポイントなのだ。

■荷室ドアと開口部

荷室ドアに加え窓だけが開くという小技の効いた車種もある

 荷室ドア(リアゲート)の開き方にはいくつかのタイプが存在する。大多数の車両で採用されているのが、ドアが上方向に開く跳ね上げ式と、横方向に開く横開き式の2種類だ。

 このほかにもドアが左右に分割して開く観音開き式や、上下に2分割で開く構造もある。屋外での支度や作業が多いアウトドアでは、荷室ドアの開き方にこだわる人も多い。こと釣りにおいても同様で、おすすめは開けた荷室ドアが屋根代わりとなって、雨に濡れず作業が行える跳ね上げ式だ。

 また、開口部の大きさもこだわっておきたいポイントのひとつ。荷室の大容量を謳う車であっても、ステーションワゴンなど荷室の奥行きがある車両は、たとえ荷室全体が大容量だとしても奥の荷物を取り出しにくいというデメリットが存在する。荷室ドアの開口面積の大きさは実用できる荷室容量と、荷物の取り出しやすさでもあるといえよう。

■長距離運転の快適性

長距離運転といえば燃費の良さも大事なポイントだ

 釣り場によっては、片道2時間以上も高速道路を走らせることも頻繁にあることだろう。

 なかでも、釣り場に到着するまでの運転は特に疲れやすいので、釣りに集中して楽しみたいなら疲労感は可能な限り軽減しておきたいところだ。

 また、筆者の場合は釣り仕様車をファミリーカーとしても使用、家族を乗せて旅行に行くこともあるため、長距離運転の快適性は重要視すべき点と考えている。

 近場のみで釣りが完結するならそこまで重要視しなくてもよいが、もし長距離運転の快適性を求めるのであれば、車両を見ただけでは分からないポイントなので、一度試乗してみるのが良いだろう。