■祝・新米! アウトドア鍋で味わう新米の魅力
暑く、そして長かった2024年の夏。謎の米騒動も収まりいつのまにか秋を迎え、農家さんのおかげで今年も無事に美味しい新米が手に入るようになりました。
というわけで、「今年の新米の味はどうなのか?」をチェックすべく、“モバイル炊飯器”とも呼ばれるエバニューの「U.L. Alu Pot 700」で屋外焚火炊飯を楽しむことにしました。
■エバニューのシンデレラフィットっぷりに酔う
まずは今回の主役である、エバニューの「U.L. Alu Pot 700」をご紹介。
ちょっと前まで「UL/ALUナベ 700」という名称だったこの鍋、ブランド自ら「炊飯特化型クッカー」と謳うように、とにかく特別なテクニックを必要とせず1〜2合のお米をふっくら簡単に炊き上げてくれるのが特徴です。
本体にはチタニウムに次ぐ軽さのアルミニウム素材“Dura-Lite”を採用。内側表面にプラズマ化したチタンによるコーティング処理を施すことで、優れた耐久性だけでなく、耐コゲ付き性を確保しています。
サイズは直径121mm✕深さ60mmで容量は700ml 、重量は106g。残念ながら 蓋は付属せず、別売りで「UL/ALUナベ 700の蓋」が用意されます。ですが慌てないでください、0.3mm厚のチタニウムで作られた同社の900ccクラスの平型クッカー「Ti U.L. Pot 900」のフタがジャストフィットするのです。
もうカンの良い方は気がついたと思うんですが、フタが合うということは当然ながら「Ti U.L. Pot 900」の本体にビシッとスタッキングができます。“合体”というほうがしっくり来るシンクロぶりはさすがエバニューといったところ。
ですので「U.L. Alu Pot 700」愛好家の多くは、「Ti U.L. Pot 900」と組み合わせることが多いというわけなのです。
筆者はこの鍋&フタセットにASOBUのウッドストーブの「EBOSHI-02」を合わせ、アウトドア竈として運用しています。
■しっかり吸水すれば勝利は目前
ギアのうんちくはこれくらいにして、さっそく炊いていきましょう。今回選んだお米は、宮城県産の「だて正夢」。仙台藩初代藩主・伊達政宗をリスペクトしているようで、「これぞ天下をとる旨さ。」というキャッチコピーに賭けます。
炊飯といえば水加減や火加減が気になるところ。ですが、気温や米の品種などで変わるため、「これ」という正解はありません(ごめんなさい)。ですので、今回紹介する筆者のやり方もあくまで一例として参考にしてください。
水加減の基本は米と水の比率は100:110。つまり、米が1合(180cc)なら、水は200ccが基準と覚えておくと大失敗はないはず。そこで注目してほしいのが、「U.L. Alu Pot 700」の鍋はだに記される180・270・360・540という容量を示す目盛りです。
これは、1合炊きの際には180の目盛りで米を計量し、洗米後に360まで水を張れば、米の隙間にも水が入るので自動的に100:110の水加減になるという仕組み。1.5合なら、米を270の目盛りで計量し水を540まで入れるだけでよいわけです。
この目盛りの意味を理解したときは震えました。エバニューの中の人は本当に白米が好きなんだろうなって。さて水加減が終わったら、浸水という名の放置プレイです。夏場なら30分、冬場なら1時間ほどかけて生の米に水を吸わせます。
浸水が大切な理由は、水を含むことで米の芯まで熱が伝わりやすくデンプンが分解されてふっくら仕上がるから、といわれています。雑菌の繁殖を押さえるためにも、長くて2時間以内で大丈夫です。
アウトドア炊飯の失敗は、この給水時間が足りずに起こりがちなので、ここはしっかり時間をとってください。