群馬県の川場村は、里山と田園風景が広がる“日本のふるさと”のような場所。その川場村に「雪ほたか」というコシヒカリがあるのをご存じだろうか。一般に流通していないため、幻のお米と言われ、なかなか口にする機会がないのが残念……。なんて、思っていたら、「道の駅 川場田園プラザ」にある「かわばんち」というお店でおにぎりが食べられるという。ならば、とさっそく出かけて実食してきたぞ。
■「雪ほたか」は、どんなお米?
「雪ほたか」の品種はコシヒカリ。古くから稲作が盛んだった川場村のなかでも「雪ほたか」は貴重なお米とされ、村民の縁故関係者のみに食べられてきたという。一般流通はしていないが、生産者たちがしっかり管理し、ずっと大切に育ててきたお米なのだ。
平成16年(2004年)にこのお米をブランド化するために名称を公募し、改めて「雪ほたか」というブランド米が登場した。また村民から選ばれた、皇室に献上するお米の田んぼを管理する「斎耕者」たちが、宮中に新米を献上したことから、皇室献上米としても知られるようになっていった。
その後、「全国米・食味分析鑑定コンクール」で連続金賞を受賞。さらに、コンクールの「国際総合部門金賞」を10回以上受賞したことから「World Rice Award Gold 10」の称号を得るなど、品質、おいしさともに認められている。
そんな幻のおいしさである「雪ほたか」だが、川場村にはごはんを提供している飲食店も一部にあり、米粉を使ったパンやスイーツ、お米の麹を原料に使った飲料などもある。
■「雪ほたか」のおにぎりが食べられる「かわばんち」
お米のおいしさをめいっぱい味わうなら、やっぱりおにぎりが最高。その望みをかなえてくれるのが、村内にある「道の駅 川場田園プラザ」に店舗を構えるおにぎり店「かわばんち」だ。
店舗があるのは、すぐ隣が駐車場という施設のはじっこのような場所。にも関わらず、店の前に10名ほどの人だかりができていて驚いた。お店の前に人は多いが、注文を待つ列は意外と短い。注文を済ますと「できあがりまで10分ほどかかる」とのことで、レシートとともに順番の番号が書かれた紙を渡される。どうやら店の前にいるのは、できあがりを待っている人たちのようだ。
通年メニューは塩やうめ、しゃけなどの8種類。このほか、季節によってさまざまな具が登場し、訪れた日は18種類ものメニューが並んでいた。2個セットや3個セット、おみそ汁や味噌こんにゃく、上州麦豚メンチカツなどのサイドメニューを一品選べるお得なセットもある。
ちなみに、秋は「ネギみそ」や「まこも天おにぎり」の限定メニューが登場するという。しかも、「まこも天おにぎり」は、稲刈り後の短期間しか販売されない、とっても貴重なメニューなのだとか。