■三角点を通過して、お目当ての日向山山頂エリアへ
登山口から約1時間35分、ずっと続いていた登りの傾斜が緩やかになってくると山頂は近い。その前に立ち寄りたいのが三角点だ。登山道を歩いていると分岐があり、三角点の案内がある。分岐から1分もしないで到着できる。
シラビソが広がり、笹に覆われた樹林帯の中にひっそりと三角点がある。眺望はないので記念撮影を終えたら山頂を目指そう。山頂までは5分ほどだ。
樹林帯を歩いて山頂を目指してきたが、山頂エリアで眺望が開けるとともに山容の雰囲気はガラッと変わる。砂浜を思わせるような白い石が敷き詰められ、周囲には花崗岩が露出している。
山頂の西側のこのエリアは雁ヶ原(がんがはら)と呼ばれる場所で、このザレ場こそ「海」を感じさる場所だ。
雁ヶ原からは北杜市と八ヶ岳の眺望が広がり、まるで白い砂浜のビーチから山の景色を見ているような感覚を味わえる。訪れた時はうっすらと雲海が広がっており、より一層「海」らしさを感じられた。
山にいながら「海」を感じられる日向山山頂。だが、常夏の砂浜のように見えても標高は1,660mあり、晩秋ともなればしっかりと冷え込む。防寒対策はしっかりと用意しておきたい。
■山頂のビーチを目指して、晩秋の日向山に出かけよう
標高の高い山は続々と雪山になるが、日向山に雪が降るのはもう少し先の話し。年によって異なるが、例年では11月の下旬から雪が降り始める。まだまだ紅葉を楽しみきれていない登山者に日向山はおすすめだ。
日向山でしか見られない、山にいるはずなのに「海」を感じられる景色を見に出かけてみてはどうだろうか。
【矢立石登山口からピストンコース】所要時間
矢立石登山口 (1:35) → 三角点 (0:05) → 日向山 (0:05) → 三角点 (1:20) → 矢立石登山口
歩行距離:約4.2km
累積標高差:登り 557m、下り 557m
合計所要時間:3時間05分