2024年8月群馬県、みなかみ町で始まった「Go!ME(ゴーミー)」プロジェクト。このプロジェクトは、観光で訪れた方が、その地域で「お金を払ってゴミを処理してもらう」というもの。JTB群馬支店がみなかみ町観光協会や、地域の観光事業者の協力のもと、この事業はスタートした。
登山やウォーターアクティビティ、スキー、スノーボード、アウトドアに限らず温泉観光など、シーズンを問わず、多くの人が訪れるみなかみ町。多くの人が訪れるということは、それだけゴミの問題も生まれてくる。
上信越高原国立公園の一部でもある谷川連峰、そして利根川の源流となる湯檜曽川など美しいみなかみの自然環境の現状を知り、それを守っていく活動として2024年8月と10月、2回にわたってクリーニングツアー(ゴミ拾い)が実施された。
■ガイドとともに若い世代にも知ってもらいたい豊かな自然を守っていく大切さ
Go!MEプロジェクト、そして谷川連峰も含まれる上信越高原国立公園の環境保全活動の一環として企画されたのがクリーニングツアー。
若い世代(学生)にみなかみ町の現状、自然豊かな山岳観光地における環境保全活動を知ってもらいたいと、8月に行われたツアーでは、参加者の対象を大学生として行われた。
このツアーでは、土合駅や、湯檜曽川周辺、谷川岳の山麓地域を中心にゴミ拾いが行われ、谷川岳の玄関口となる土合駅、湯檜曽川沿いのキャンプ場といった多くの人が集まるところは、やはりたくさんのゴミがあった。
みなかみ町では、都市部の観光地のようにゴミが溢れかえるという問題が発生しているというわけではなかったが、コロナ禍以降に利用者が増加したキャンプ場周辺では、BBQ利用によるゴミの問題が発生するようになったという。
これは、ひと括りにキャンプユーザーが悪いというわけではなく、キャンプ、BBQを始めたばかりという利用者の中には、アウトドアで遊ぶ、自然環境を守っていくといった考えが、まだ育っていないということなのかもしれない。
海外からの留学生も参加したこのツアーでは、谷川岳、国立公園を学ぶことができる谷川岳インフォメーションセンターで調査結果報告や意見交換も行われ、若い世代にとって未来につながる貴重な経験となってくれたことを願う。
■山への恩返し ガイドと共に登山道を歩き、自然環境を守る
10月に行われたツアーでは、谷川岳をガイドと共に登りながらゴミ拾いをしていくというもの。年間に4万人の登山者が訪れる谷川岳。ふと登山道の脇に目を向けると、意外とゴミが落ちていたりする。
しかしガイドの印象では、今回回収したゴミのほとんどは意図的に捨てたというよりも気づかずに落ちてしまったものだろう。日頃、登山ツアーなど谷川岳を登っている時もゴミが目に付くということは、あまりないということであった。
やはり登山者は山の中で安易にゴミを捨てるということはなく、自然、そして環境を大事にするという意識が高いのだろう。
このツアーでは、ゴミ拾いだけでなく、ガイドと共に登山道の整備、補修をしながら登山していくものとなり、環境問題だけでなく、地域、地元ガイドの協力のおかげで、安全に登山を楽しむことができるということを、あらためて感じることができる機会となった。