東京都八王子市にある高尾山は標高599mと、日本にある名の知れた山の中でも比較的低く、ケーブルカーやリフトなどの索道があり、登山道もしっかり整備されているので初心者にも登りやすい山だ。そのため、多くの登山者や観光客が年間を通して訪れ、世界一登山客が多い山と言われている。
都内から約1時間とアクセスも抜群。最寄りの京王電鉄・高尾山口駅(たかおさんぐち) からも徒歩5分ほどで登山口に到着できる。この手軽さも人気の一因だろう。
木々が赤く色づき始める11月に、高尾山と隣にある小仏城山(こぼとけしろやま)に家族と登った時の様子を紹介したい。秋の紅葉シーズンは特に登山者が多く、注意すべきポイントもあるので参考にしてほしい。
■赤く染まり始めた高尾山へ
訪れたのは11月第2週の土曜日。まだ紅葉のピークは迎えていないものの、多くの人出が予想されたため、早朝に出発することにした。朝5時過ぎに市営高尾山麓駐車場に到着。まだ数台しか停まっていなかったが、7時頃には駐車台数80台の駐車場は満車となった。
このほかにも、高尾山IC方面に向かう途中、250台駐車可能な薬王院(やくおういん)自動車祈祷殿駐車場やコインパーキングも利用できるが、いずれも早々に満車になる可能性があるため注意が必要だ。
今回は自然研究路1号路で登ろうと考えていたが、子どもたちがケーブルカーを希望したため、そちらを利用することに。7時20分頃、ケーブルカーの麓の駅である清滝駅に到着すると、すでに多くの登山者が訪れており、10mほどの行列ができていた。しかし増便のおかげか、20分の待ち時間でケーブルカーに乗車できた。
約6分の乗車で標高472mにあるケーブルカー高尾山駅に到着。そこから薬王院の表参道でもある1号路を歩き、山頂を目指すことにした。
ケーブルカー高尾山駅を降りた直後は、登山道もまだ空いていて快適に歩けた。しばらくは紅葉は少なく、緑の葉が目立つ。しかし、30分ほど歩き薬王院を過ぎる頃には、もみじなど所々に赤く色づいた木々が現れ、登山道を彩っていた。紅葉が本格化する前であっても、少しずつ秋の景色が広がりはじめていた。
山頂には8時50分頃に到着。澄んだ空気の中、雪化粧をした富士山が美しく見えた。徐々に登山者も増え、山頂は賑やかに。時間的にも体力的にもまだ余裕があったため、高尾山の隣にある小仏城山へ足を延ばすことにした。