釣り上げた魚をクーラーボックスに氷と入れて持ち帰り、家で魚を調理しようとしたとき、不快な異臭が鼻を突いた。適切な処理をしていなかったため、新鮮なはずの魚を食卓に並べることができなかったのだ。ひょっとしたら筆者と同じ苦い経験をされた方もいるのではないだろうか。以来、家族は筆者が大物を釣って持ち帰っても喜ぶどころか、疑いの目で見てくるのだ。
休日の釣りの釣果を、美味しく家族に振る舞えたらどうだろう。「また釣ってきて!」と家族からも期待され、大手を振って釣りに出かけられるに違いないのである。
■鮮度維持のカギは釣り上げた魚をその場で適切に処理すること
釣り上げた魚をその場で適切に処理することは、鮮度を保つために不可欠だ。釣り上げられた魚の体内では酵素が魚の組織を分解し始める。これにより、魚の鮮度は急速に低下していく。血抜きや内臓処理、清掃などの処理はこのプロセスを遅らせ、鮮度を維持するのに役立つ。
釣り上げた魚を適切に処理することで、後の調理や保存が容易になる。新鮮な状態に保つことは、食べる際の風味や質を向上させるだけでなく、食品衛生面でも重要。したがって、釣り上げた魚の血抜きや内臓処理などの基本的な処理を迅速に行うことが、美味しく安全に食べるためのカギとなる。
■釣り上げた魚の処理:1. 血抜き 2. 内臓処理 3. クリーニング
釣り上げた魚の処理手順について、以下に解説する。
【血抜き】
まずは血抜きする。魚の鮮度を保つために、血を十分に抜くことが大切。エラの付け根と尾ビレの付け根にナイフを入れる。エラと尾ビレにナイフを入れた魚を1分程度、海水の中に入れておくと血が抜けやすくなる。
【内臓処理】
血抜きをしたら内臓処理を行う。魚の腹を包丁やナイフで開き、内臓を取り除いてきれいに洗う。内臓は臭いの原因となるので、丁寧に取り除くことが重要。
【クリーニング】
魚の表面をペーパータオルできれいに拭き取る。水気を取り除き、クーラーボックスに入れる準備を整えよう。魚の身を保護し、清潔な状態を保つためにもクリーニングは欠かせない。