■あえて雨の日に釣りに行く理由は!?

緑色に近いほど濁った海で釣れたシーバス(撮影:志田 こうたろう)

 雨天の日は河川から水が多く流入し、荒天によって波のうねりが大きくなることで、海底の砂や沈殿物が巻き上がり、海水が濁ることがある。

 危険が及ぶほどの荒天時には訪れることはないものの、筆者が最も好きな釣りのひとつであるスズキ(釣り人の間ではシーバスと呼ぶこともある)のルアーフィッシングでは、海水の適度な濁りは釣果を上向かせることがある。

 これは濁りによる視界の悪さが、“ルアーを偽物と判断しにくくする作用がある”と筆者は考える。

 雨の日を狙って釣りに行くというのは、釣果へ結びつくひとつの手段ではあるが、引き換えに苦労が多くなることも確か。そんな雨の中の釣りで起きる「正直しんどい」出来事を3つ紹介する。

■準備の段階でびしょ濡れ

素早くレインウェアに着替えないとびしょ濡れだ(撮影:志田 こうたろう)

 自宅から釣りのウェア、とくにウェーダー(胴長)やスパイクシューズを着用して出発するアングラーはごく少数で、現地で着替えるのがほとんどではないだろうか。また、道中でコンビニや釣具店に立ち寄る際はウェーダーやスパイクシューズのまま入店するのは店内を汚すこととなり、避けるべきだろう。

 そのため、現地で着替えることが多くなるのだが、雨だとどうしても運転席から荷室ドアへの移動で多少なりとも濡れてしまう。さらに荷室ドアが横開きのSUVなどはびしょ濡れ必至だ。

 ポイントに到着したはいいものの、車から降りるのも億劫になり帰ってしまおうかと思うこともしばしばである。

■ラインが指にまとわりつく

PEラインは指先が濡れると扱いが途端に鬱陶しくなる(撮影:志田 こうたろう)

 釣りにおいて“糸を結ぶ”という作業は当たり前のように行われる。しかし雨で指先が濡れていると、この作業が普段通りにいかないことがある。

 極細のラインや、近年主流となっているPEライン(ポリエチレンの撚糸)は、濡れると指にまとわりついてくるのだ。

 乾燥状態で何事もなく行えた細かい作業が、途端にストレスを感じるほど面倒な作業となる。雨に打たれながらというシチュエーションもあり、しみじみとつらさを感じる場面となってしまう。