■初めての魚探体験:劇的な釣果向上の瞬間
長年カヤックフィッシングを楽しんできた筆者だが、どうしても釣果に満足できない日々が続いていた。潮流がぶつかり合う潮目や岩場近辺を目安に、魚の居場所を見つけるようにしているが、釣り人としての直観では運次第ということで成果にはムラがあった。
そんな時、釣り仲間の一人から「これを試してみて」と魚群探知機(以下魚探)を装備したカヤックを貸りてカヤックフィッシングに出かけた。すると、これまでとは全く違う世界が広がっていたのだ!
魚探のディスプレイには、水中の地形や魚の動きがリアルタイムで映し出され、これまで手探りだったアプローチが一変、最初のポイントで、次々と魚が釣れ始めた。あっという間に釣果を重ね、魚探の有効性を身をもって実感したのだ。
この初体験をきっかけに、魚探を自分の装備に加えることを決意。筆者の釣りスタイルに革命をもたらした魚探との出会いは、まさに釣りの楽しみを倍増させてくれた瞬間だった。
■最適な魚探選び:釣り仲間の助言と自分のニーズに応じた決断
著者は、早速魚探を購入することにした。しかし、選択肢が数多くある中でどれを選ぶべきか、悩みは尽きなかった。そんな時、魚探を愛用している釣り仲間からのアドバイスが非常に役立った。
まず、釣り仲間からすすめられたのは「HONDEX」と「GARMIN」の2つ。筆者が先日初めて魚探を体験したのは「GARMIN」で、その取り扱いやすさと効果は体験済み。もう1つの「HONDEX」は釣り仲間の愛機で、常に安定した釣果を得ている。どちらも高性能で信頼性の高いブランドである。
しかし、予算の都合からもう少しコストを抑えたいと考え「LUCKYLAKER」も候補に入れた。それぞれの製品の特徴をまとめ、比較検討を行った。
最終的に私が選んだのは「GARMIN」だった。決め手となったのは、魚群表示に加えてGPS機能が付いている点。GPS機能がなぜ必要かというと、カヤックフィッシングでは釣り場を正確に把握することが重要だからだ。特に広い湖や海での釣りでは、どの場所で魚が多く集まっているかを正確に記録し、次回以降の釣行に生かすことができる。
●魚探の電源選び
魚探と超音波を発信して、その反射波によって魚群や水底の地形を画面に映し出す役割を担う「振動子(しんどうし)」のほかに、魚探につなぐ直流電源が必要である。釣り仲間は車載用の大きなバッテリーをカヤックに積んで使用している。長時間使用できるほか、バッテリーの重量(10kg前後)がカヤックのバランスを安定させるというメリットもある。
しかし、車載用バッテリーは家庭用コンセントで充電ができず、専用の充電設備が必要だ。また重く大きいためカヤックへの積み下ろしに労力を要することがデメリットとして挙げられる。そこで筆者は、軽量で扱いやすいモバイルバッテリーを購入した。約230gで軽量、設置も容易で手軽に充電できるため、カヤックフィッシングに最適な選択肢と考えた。
■カヤックへの魚探取り付け作業:ペダルとケーブルの取り回しに注意
「GARMIN」の魚探と振動子、そしてモバイルバッテリーを購入し、いよいよカヤックへの取り付け作業に取り掛かった。私のカヤックは足でペダルを漕ぐ足漕ぎ式であるため、ペダルに引っ掛からないようにする必要があった。
まず、魚探本体の取り付け位置を決める。操作性と視認性を考慮して、利き手側でもあるカヤックの前部右手ロッドホルダーを選んだ。
次に、センサーである振動子の取り付け位置を検討した。振動子は魚探の固定台に取り付け、振動子から魚探へのケーブル接続を簡略化し、水中への投入と取り外しも魚探と合わせて容易にできるロッドホルダーとの一体構造とした。
さらに、振動子と魚探本体、直流電源としてのモバイルバッテリーと魚探本体との接続ケーブルの取り付けを行った。ペダルに当らないようケーブルをカヤックの内側に這わせることで、引っ掛かりや断線のリスクを軽減した。
最後にモバイルバッテリーを設置。Amazonで購入したRing Star Japanのツールボックスを使用し、ホームセンターで購入した協和化学工業所の「絶縁ゴムブッシング」を取り付けて、ツールボックス内にバッテリーを固定し、電源配線を絶縁ゴムブッシングを通して外に出す防滴構造とした。
ツールボックスはカヤックの座席の下に収納。これにより海水や雨が降り注いだ場合にもモバイルバッテリーが水に濡れる心配は少なく、安全に使用できる。ちなみに今回購入したモバイルバッテリーは、18W以上の電力、または1.5A以上の電流が消費された場合、また高温時に電源が自動で切れるという発熱のトラブルを未然に防いでくれる機能が付いている。
取り付け作業が完了したことで、カヤックフィッシングの準備が整い、新しい魚探とともに出かけ、釣果への期待は高まっていた。