いよいよ夏真っ盛り。今年の夏は全国的に暑さが厳しいという予報で、熱中症に対する注意喚起が頻繁に各種メディアで報じられています。だからといって、クーラーを効かせて家でジーっとしているだけで夏を終わらせるのはもったいない! そこでおすすめしたいのが、標高の高い場所、つまり山へ出かけることです。

 とはいえ「特別な道具は持っていないし、なにより体力的に不安……」という人も多いはず。そこで今回は、標高約2,000mまで無理なくアクセスできる、長野県小谷村の「栂池自然園」を紹介します。園内は基本的に木道が敷かれているので、登山未経験の人はもちろん、車イスの人や子連れの家族でものんびり散策を楽しめる場所なのです。

■ゴンドラとロープウェイを乗り継ぎ、標高約2,000mの世界へワープ

ゴンドラとロープウェイ、合わせて約25分間の空中散歩を楽しめる(撮影:松元麻希)

 全国有数の高層湿原である栂池自然園は、夏に高山植物が咲き乱れ、湿原越しに白馬乗鞍岳・小蓮華山・白馬三山白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳)を眺められるのが大きな特徴です。白馬三山を目指す登山者にとっては、登山口としての役割も。栂池自然園の標高は1,900〜2,000mあり、栂池高原スキー場内にあるゴンドラと、さらにその上に架かるロープウェイを乗り継いでたどり着くことができます。

 ゴンドラやロープウェイにはそれぞれ大きな窓があり、移動しながら麓の街やゲレンデ、白馬三山の景気を見渡せるのもお楽しみ。スキーやスノーボードをしに栂池高原スキー場を訪れてゴンドラを利用したことがある人も、より高度感のある乗車体験を味えるでしょう。

ゴンドラの窓から見た白馬三山。同じ乗り物でも、一面真っ白な冬の景色とは全く違う印象を受けるはず(撮影:松元麻希)

■クライミングウォールも!?  至れり尽くせりなビジターセンターを通り園内へ

ビジターセンター内の受付横が栂池自然園の入口になっている。有料でストックや長靴のレンタルあり(撮影:松元麻希)

 ロープウェイの終点「自然駅」に着き、400mほどの舗装された坂道を登っていくと「栂池ヒュッテ」「栂池山荘」という2つの山小屋があり、その先に「ビジターセンター」があります。栂池自然園内へ入園するためには、このビジターセンター内を経由しなければなりません。

 ちなみにビジターセンターは、栂池自然園内の動植物の生態について学べる展示があるほか、栂池自然園の映像が流れる大きなスクリーン、アウトドアブランド「コロンビア」のウエアやお土産が揃うショップ、無料のクライミングウォール&スラックライン体験、無料で利用可能な休憩室など、さまざまなサービスが充実。通過に留まらず、ぜひハイキングの前後にゆっくり滞在してほしいところです。

ビジターセンター外観。奥に見える赤い屋根は旧栂池ヒュッテで、現在は「栂池ヒュッテ記念館」となっている。館内に古い山道具の展示などもあるので覗いてみよう(撮影:松元麻希)
写真右手がショップ、写真左手が展示やスクリーン、奥に見えるのがクライミングウォール(撮影:松元麻希)
とくに雨天時などにありがたい、広々とした無料休憩室。本棚やウェブ検索ができるモニターが設置されていて、いくらでも時間を潰せる(撮影:松元麻希)