7月も半ばに差し掛かり、山好きたちにとっては、そろそろ今年の夏山登山の計画を固める時期です。

 そんなみなさんに耳寄りな情報です。昨年から運行をスタートした「裏銀座登山バス」が、今年はさらに便利にバージョンアップ。運行日数が12日間増え、7月下旬から8月一杯は毎日運行することになりました。

 今年の運行情報の詳細について、お伝えしましょう。

■昨年からスタートした「裏銀座バス」とは

信濃大町駅が起点となる

 北アルプスエリアの中にあって、登山者に大人気の「表銀座エリア」に対し、「裏銀座エリア」は少々地味で行きづらい印象のある山域です。

 理由の1つは、最寄り駅の信濃大町駅から裏銀座縦走ルートの出発点となる七倉登山口までの2次交通が、タクシーに限られていたこと。手前にいくつかある登山口も駐車場の台数が限られていて、シーズン中の週末は混雑必至。「登り始める前にひと苦労する山域」というイメージでした。

登山口に近い七倉山荘前の駐車場は50台ほどで一杯になってしまう

 そのイメージを覆すべく、昨年から運行をスタートしたのが裏銀座登山バスです。2024年シーズンの運行期間は、7月13日から10月14日までの特定日(7月19日〜8月31日までは毎日)。運行本数は曜日に関わらず、朝と午後の電車の到着時間に合わせて2便ずつとなります(時刻表はHP参照)。運賃は片道1,500円と、タクシーに比べるとかなり手頃に利用することができます。

裏銀座登山バスは昨年から運行を開始した新たな選択肢だ

■大町市に聞く「裏銀座登山バス」の賢い使い方

七倉ダム下駐車場(キャパは200台ほど)に停めた場合、バスの乗車運賃は無料

 バスの運行管理をする大町市の担当者に伺ってみたところ、登山口駐車場の混雑緩和を目的に「七倉ダム下駐車場に車を停めて七倉登山口へ向かう方がバスを利用される場合、無料で乗車いただけるようにしています」という耳寄り情報も入手しました。

日本三大急登のブナ立尾根から登り、烏帽子、水晶、双六などを通過して、西鎌尾根で槍ヶ岳を目指すのが通称「裏銀座縦走ルート」

 また、伊藤新道からブナ立尾根の周回ルートなど、日数のかかる計画をしている方には、信濃大町駅前にある市営駐車場を使うのがおすすめ。駐車日数に関わらず、上限1,500円で駐車できるので、こちらに泊めてバスで山に向かうのがスマートでしょう。

下山後に立ち寄れる温泉が豊富なことも、このエリアの魅力

 帰りのバスは葛温泉や大町温泉郷も経由するので、下山後に日帰り温泉に立ち寄って、さっぱりと汗を流してから帰ることもできます。