■出発前には最新の道路&運行状況を要チェック

ガスの晴れ間に見えるダイナミックな景色。水晶岳へと延びる稜線にて
高瀬ダムへのアクセスはタクシーを利用する

 七倉ダム〜高瀬ダムはタクシーが運行していますが、3月に発生した落石の影響でタクシーの運行は一部区間となります。7月12日(金)より運行開始となりますが、最新の運行情報は「信濃大町なび」のHP上にて掲載されるので、出発前にはぜひ確認しておきましょう。

■行きづらいことも「裏銀座」ならではの魅力

高瀬ダムからアプローチできる湯俣の名所「噴湯丘」。噴き出し続ける温泉成分で形作られる

 表銀座やパノラマ銀座のような派手さはなくとも、裏銀座はアクセスが難しい分、喧騒を避けてじっくりと静かな山と向き合えることが大きな魅力です。烏帽子岳や鷲羽岳のように非常に個性的な山々があり、水晶岳(百名山の中でも、特にアプローチが長い山の1つ)や双六岳から眺める迫力満点の景色には、なんとも言い難い感動があります。

烏帽子岳近くにある見事なコマクサの群生地
7、8月に歩けば、数多くの高山植物に出会えるはず

 とにもかくにも、これまでタクシーでのアクセスに限られた深部までバスでアプローチできるのは、非常に喜ばしいニュースです。

 近年は各地でマイカー用の駐車場が飽和状態になる問題が起きており、公共交通機関の重要性が見直され始めています。バスを上手に計画に組み込めるかが、この夏の山行を充実させるカギとなるかもしれません。

非常に山深いエリアを歩き続けられるのも「裏銀座縦走ルート」。写真は双六岳付近から振り返った鷲羽岳方面