■滝谷不動駅から瀧谷不動明王寺へ
富田林駅を出ると路線は単線となり、次は富田林西口駅。その次は川西駅で、沿線は郊外型の新興住宅地という趣だ。
しかし、次の滝谷不動駅に着くと、様子がすこし変わる。
滝谷不動という駅名は、日本三不動の1つである滝谷不動、正式名「瀧谷不動明王寺」に由来する。駅のすぐ近くを東高野街道が通っていることもあって、いくつかの古民家があり、歴史のありそうな道標も立っている。
マンションや新築戸建てもあるにはあるのだが、昭和の雰囲気がある住宅のほうが目立つのだ。
滝谷不動駅から明王寺へは徒歩約15分。山に向かっての坂道を歩いて行くことになるのだが、寺に近づくにつれ旅館などの観光施設も増えてくる。大きな寺院は参拝だけでなく、観光名所でもあるのが実感できた。
明王寺は821年の創建と伝えられ、開山したのは弘法大師空海。1463年に戦乱に巻き込まれて焼失し、現在の場所に再建されたのは慶長年間(1596~1615年)とされている。
盲目の老僧が不動明王の霊験を人々に説き、小堂を建立して礼拝していたところ、まもなく眼が見えることになって姿を消したという説話から、目の病気にご利益があり、また「芽の出る不動様」とも呼ばれ立身出世にもご利益があるとされている。
つづく