●至仏山荘より登山開始! 日本百名山・至仏山(しぶつさん・2,228m)の頂へ!
至仏山荘に隣接する「植物研究見本園」。湿原をゆっくりと周回できる木道の遊歩道だ。人の手が加わっておらず、湿原の起伏や池塘(ちとう)、浮島など尾瀬の自然そのものの姿が楽しめる。ミズバショウの時期には見事な群生が見られるので、初級ハイカーにはこちらもおすすめだ。
さて、至仏山への登山道は、見本園の奥から始まる。すぐに急峻な登り坂が始まり、大きな岩の合間をぬって歩く道が山頂まで続く。標高差800mを直登するような道のため、健脚向きのコースだ。また、このあたりの岩は大変滑りやすい蛇紋岩からなっており、降雨の後などは特に注意が必要である。
一方で、岩稜の登山道沿いには、多くの高山植物山頂が可憐に咲き乱れている。くれぐれも、植生保護の柵を越えたり、階段から外れないようにしよう。
3時間の急登の末、ようやく辿り着いた山頂では、眼下に広がる尾瀬の湿原と、もう1つの日本百名山「燧ヶ岳」の姿を望むことができ、疲れを癒やしてくれる。
●至仏山から、小至仏山(こしぶつさん・標高2,162m)を経て、鳩待峠へ下山
至仏山頂の絶景を満喫したら、周回コースの後半戦、下りのはじまりだ。まず1.1㎞先の小至仏山を目指す。約30分の道のりは、やや細めの稜線歩きとなるが、勾配は緩やかなので譲り合って進もう。このエリアも多くの高山植物が花を咲かせているので、貴重な植生が楽しめる。
小至仏山からさらに20分ほど進むと、悪沢岳方面に進む道と鳩待峠に下山する道の分岐が現れる。分岐から1時間20分で、スタート地点の鳩待峠に戻ることができる。至仏山から合計して、2時間10分の道のりだが、ところどころ、尾瀬ヶ原の湿原が見渡せるスポットがあるので、休憩を挟みながら進もう。
下山後は、バス待ちの時間を利用して、鳩待峠休憩所に立ち寄るのがおすすめ。甘さ控えめの花豆ソフトクリームが人気だが、その他にもさまざまな軽食、お土産品が出迎えてくれる。
■時期ごとの尾瀬湿原の楽しみ方
夏の尾瀬では、訪れる時期によってさまざまな植生が楽しめる。ここに紹介するのはほんの一部ではあるが、尾瀬を代表する種。この他にも、ここでしか出会えない草花がたくさん咲いているので、ぜひ岩陰などで力強く咲くその姿を楽しんでもらいたい。
●6〜8月に見頃を迎える草花の一例
●7〜9月上旬に見頃を迎える草花の一例
●【MAP】鳩待峠バス発着所(登山口)
住所:〒378-0411 群馬県利根郡片品村戸倉
●【MAP】至仏山
住所:〒378-0411 群馬県利根郡片品村戸倉