■【秋田県】八幡平×蒸ノ湯温泉

ふけの湯自慢の露天風呂(画像提供:ふけの湯)

 八幡平(はちまんたい)の周辺には良質な温泉が多いが、筆者が特におすすめしたいのは八幡平の北西、秋田県側に下った先にある蒸ノ湯(ふけのゆ)温泉だ。八幡平最古の秘湯で、約400年前に開湯したと伝えられている。

 蒸ノ湯温泉にある一軒宿「蒸ノ湯温泉 ふけの湯」には、自然の息吹を感じられる「野天風呂」と呼ばれる露天風呂がある。浴場には屋根がなく、周囲の荒涼とした岩肌や、蒸気が立ち込める温泉地らしい光景を楽しめる。また、枡風呂や樽風呂、岩風呂などの趣向を凝らした湯舟があるのもおもしろい。火山の恵みを感じながら温泉に浸かり、自然と一体になったような感覚を味わえるだろう。

蒸ノ湯温泉 ふけの湯
住所:〒018-5141 秋田県鹿角市八幡平 字熊沢 国有林内
電話:0186-31-2131
泉質:単純泉・弱酸性泉
入浴料:大人700円、子ども400円(3歳~小学生)
営業時間:10時〜15時

蒸ノ湯温泉 ふけの湯 https://www.fukenoyu.jp/index.html

■【山形県】蔵王山×蔵王温泉

「かめ風呂」奥には「四・六の湯」(画像提供:山形蔵王温泉 新左衛門の湯)

 山形県の蔵王山(ざおうざん)の北西の麓には、開湯1900年の歴史がある日本屈指の古湯・蔵王温泉がある。蔵王温泉の特徴は、豊富な湯量と強酸性の硫黄泉だ。この泉質には殺菌作用や皮膚を強くする作用があるとされ、「美肌の湯」や「美人づくりの湯」とも呼ばれている。

 強酸性の湯は高い美肌効果がある一方、敏感肌の人には肌がピリピリしてしまうこともある。だが、日帰り入浴施設「山形蔵王温泉 新左衛門(しんざえもん)の湯」にある「四・六の湯」は、源泉に加水をしてあるため、多くの人が美肌効果を実感できる。また、同施設内にある源泉かけ流しの足湯も人気だ。

新左衛門の湯
住所:〒990-2301 山形県山形市蔵王温泉川前905
電話:023-693-1212
泉質:酸性・含硫黄―アルミニウム―硫酸塩・塩化物温泉
入浴料:大人1000円、子ども400円、3才〜幼児200円
営業時間:10時〜18時

湯の花茶屋 新左衛門の湯 https://zaospa.co.jp

■【福島県】安達太良山×岳温泉

陽日の郷あづま館の露天風呂(画像提供:陽日の郷あづま館)

 福島県二本松市にある安達太良山(あだたらやま)の東麓、あだたら高原スキー場を下った先に岳(だけ)温泉がある。約1200年前に開湯したとされる岳温泉は、強酸性の泉質が特徴だ。殺菌力が高く、慢性皮膚炎やアトピーなどに効果があるとされている。

陽日の郷あづま館(撮影:川村亨)

 岳温泉の中でも、筆者のお気に入りは「陽日の郷(ゆいのさと)あづま館」の湯だ。広い内湯ではリラックスして湯に浸かり、露天風呂ではヒノキの香りに包まれて森林浴のような安らぎを感じられる。また、温泉成分に含まれるメタケイ酸(保湿成分)が豊富で、肌への保湿効果が非常に高い。そのため、入浴後はしっとりと潤う肌を実感できるだろう。

陽日の郷あづま館
住所:〒964-0074 福島県二本松市岳温泉1-5
電話:0243-24-2211
泉質:酸性泉
入浴料:大人1,000円、子ども500円
受付:12時〜18時(水曜15時〜18時、土・休前日12時〜16時)

陽日の郷 あづま館 https://azumakan.com

■百名山と温泉めぐりで大自然を存分に楽しもう! 

 山と温泉は、自然を存分に楽しむ最高の組み合わせだ。東北の山々で登山やスキーを楽しんだ後は、温泉に浸かりながら心身ともにリフレッシュしよう。本記事で紹介した6つの温泉地は、 開湯300年以上の歴史のある名湯ばかり。ぜひ立ち寄って、東北の大自然を存分に堪能してほしい。