■山頂からの圧巻の景色

山頂から見える池田湖

 開聞岳頂上からの景色は、その円錐形の山容のおかげで、360度絶景である。北の眼下に広がる薩摩半島と池田湖、東には鹿児島湾(錦江湾)とその向こうに大隈半島、晴天の日は南の東シナ海に種子島や屋久島が見える。360度のうち4分の3が海で、4分の1が陸地という大展望である。 

 山頂は岩場が多いが、実際は岩の一つひとつが大きいため、腰掛けにちょうどよく休憩しやすい。

■開聞岳周辺には魅力的なスポットが多数ある

池田湖から望む開聞岳
市内9か所に配置されたイーブイのマンホール

 開聞岳のある鹿児島県指宿(いぶすき)市には、ほかにも魅力的なスポットが多数ある。オオウナギが生息する「池田湖」、砂の道が出現して歩いて渡れる無人島「知林ヶ島(ちりんがじま)」、海岸の砂に埋もれて楽しむ「砂むし温泉」などだ。

 また、最近では、アニメ『ポケットモンスター』のキャラクター「イーブイ」を、「いぶすきすき」=「イーブイすき」と賭け、イーブイを描いたマンホール9枚が、市内各所に設置されて人気となっている。

■5月が開聞岳登山のおすすめ

 南国鹿児島の開聞岳を夏場に登るのは、かなり過酷だ。夏前、できれば梅雨入り前が登山のおすすめ時期となる。また、秋も涼しくて歩きやすい。冬は登山道が凍って危険度が増すので、アイゼンなどの装備が必要になる。   

 開聞岳のコースタイムは、二合目からの山頂往復で、約5時間半から6時間程度。標高は1,000mに満たないが、ひたすら急勾配が続くため、体力を消耗しやすい。体力消耗による疲労やケガには十分な注意が必要だ。

 この期を逃さず、日本百名山の中でもひときわ個性の光る、開聞岳にぜひ登っていただきたい。

 

●【MAP】開聞岳 登山口