■パターン3「車」を利用した【山小屋泊登山】の場合

車を利用した山小屋泊登山にかかった費用

 16回のうち、山小屋を利用した登山は2回。12月の2泊3日の登山は避難小屋泊だったため、宿泊費は0円となった。避難小屋とは山中に建てられた無人の小屋で、宿泊するにはテント泊と同様にシュラフや食料などの準備が必要となる。

上高地にある冬季専用の横尾避難小屋

 もう1回は有人の営業山小屋を素泊まりで利用し、食事は自炊した。コンビニでは行動食の他に、山小屋で食べるおつまみやお酒などを購入した。

営業山小屋の自炊場、この小屋ではガスコンロが使えた

 2回の登山で使った費用は31,700円。そのうち交通費が13,400円で全体の42%を占め、宿泊費は16%の5,100円だった。平均すると1回の登山で15,850円使ったことになり、そのうち交通費は6,700円となる。

 山の中で泊まる場合、テントや避難小屋を利用すれば宿泊費を安くあげられる。しかし、避難小屋は宿泊を目的として利用できない小屋があったり、満員の場合も。利用する場合、事前に避難小屋の情報を調べ、万が一利用できない場合の対策を講じる必要がある。

 筆者は避難小屋を利用する場合は、早着を心がけ、泊まれなかった場合に備えてテントを持参している。

■パターン4「車」を利用して【街で宿泊】の場合

車を利用し街で宿泊する場合にかかった費用

 遠方に行くと、登山は日帰りで麓街の宿に宿泊することもある。街で宿泊する最大のメリットは登山が楽しめるだけでなく、旅行気分も味わえる点。温泉に入って、メンバーで宿の食事を楽しむのは、修学旅行気分でワクワクする。

 1月に利用したのは、麓のゲストハウス。登山口に近いこともあり、登山靴や登山ウェアが干せるなど、登山者にとってうれしいサービスがたくさんあった。

山の麓にあるゲストハウス、奥の炬燵で下山後のんびり過ごした

 宿を利用したのは16回の登山のうち1回。かかった費用は18,920円、うち、交通費は35%の6,600円、宿泊費は38%の7,200円だった。交通費と宿泊費合わせて費用の73%の13,800円となる。

 修学旅行気分を味わえるのはうれしいが、1泊2日の日帰り登山で2万円近くかかってしまうのは少々財布にとっては痛手だ。

■交通費を抑えることが、登山を安くあげるカギ

 登山にかかる1回あたりの費用の平均をまとめると、ある傾向がみえてきた。

・日帰り登山「公共交通機関」:1,750円(内交通費1,750円)
・日帰り登山「車」:6,674円(内交通費3,633円)
・山小屋泊登山「車」:15,850円(内交通費6,700円)
・麓の街で宿泊「車」:18,920円(内交通費6,600円)

 とくに、日帰り登山の場合は交通費の割合が費用の半分以上となるのだ。16回の山行のうち日帰り登山が13回のため、交通費をいかに安くあげるかが登山費用の節約のカギになりそうだ。