昨年11月に発売された「リゲルPro.ストーブプラス」はsnow peak(以下、スノーピーク)では初となる、薪ストーブを装備した大型シェルターだ。幕内での火器使用を推奨したモデルであることや、100万円を超える高級ギアにもかかわらず初回分は完売するなど、発売以来大きな話題を呼んでいる。今回はそんなフラッグシップアイテムに、見て触れられる機会を得た。以下に紹介する。
■ガラス窓をサイド4面に配した薪ストーブ
まず注目したいのは、ストーブが室内の中央にレイアウトされている点だ。ストーブのサイドパネルはガラス窓がはめられていて、どの方向からでも炎を眺めることができる。まるで焚き火をしている時のように、火を囲んで会話を楽しめるようになっているのだ。
暖を取ることに加え、コミュニケーションツールとして焚き火はキャンプに不可欠であり、たとえ寒い冬であってもゆっくり語り合えるように、というスノーピークのアイデンティティが表れているといえる。
■考え抜かれた安全設計とユーザー導線
気になる安全性については、日本とニュージーランドで計3回の冬期をテスト環境にするなど、検証を重ねたという。
本体は風に強いフレームワークに通常のPro.ラインよりも薄くて丈夫な生地を採用。フライシートは、こちらも同社のシェルターでは初となるフルフライシートで、本体との完全二重構造を形成している。これまで以上に風による転倒に強く、保温性が向上している。当然ながら火の粉に強いTC素材が使われている。
各装備のセッティングは正確に行えるように、配慮が行き届いている。
ストーブの組み上げは、先に天井から煙突を吊り下げて固定してから、本体を合わせることで完了する。かなりユニークな方法だが、専用ベルトで煙突の位置を確実に決めることにより、本体とのずれや隙間が生じにくい非常に合理的な方法だ。
不用意に触れないようストーブ本体の周囲はテーブルで囲まれ、脚どうしを繋ぐX字のすじかいによって、火床の下に物や足などが入り込まないようブロックされている。
ストーブに火を入れる際は赤いタグを目印に、4か所のベンチレーションを開放する。加えて一酸化炭素チェッカー2つを付属のホルダーを使ってセットする。専用ホルダーによって測定に最適な位置と高さにチェッカーがくる仕様だ。ちなみにこちらの一酸化炭素チェッカーは、本体購入セットに含まれている。
もしストーブから灰や煙が上がってしまった場合でも、天井口から本体とフライシートの間を流れる空気にのって外部へ排出される仕組みになっている。排出口となるベンチレーションの開口部も、内部への逆流が起きないような工夫がされている。