■楽しみながら、いざという時に役立つサバイバルスキルが身につく

イギリスでのシンポジウムの様子。皆真剣にウッドクラフトでなにかを作っている

 BBCのお2人は、今回の取材で日本ではあまり聞き慣れない「コンテクスト」と言う言葉を何度も使い、強調して説明していたのが印象的だった。

 大きな木の幹から出た枝葉には、さまざまな要素があり、いろいろな楽しみの実がなっている、そんなイメージのようだ。

木の枝を使って作った鍬

 さまざまに発展したいろいろな道具たちを見ると、日本のキャンプスタイルは、なんでもありの独自の進化をしたように思う。しかし、ブッシュクラフトの世界は、昔から変わらない「自然の中での人の生活」こそが揺るぎないベースになっていて、それは全世界で共通している。

 自然を大切なものとして扱い、ベーシックな道具と技術を用い、そこにあるものを活かして使って楽しむこと。そのベースに流れるものこそが、彼らの言う「文脈(Cotext)」なのかもしれない。

動物を捕るための仕掛け罠の実演会

 もしこの記事を機にブッシュクラフトに興味を持った方がいたら、まずはぜひ一度体験してみてほしい。週末の度にいろいろな場所でさまざまな教室が開かれているし、たくさんの教本が発売されている。

 自然災害の多い日本では、いつ自分や家族が被災してもおかしくはない。ブッシュクラフトのスキルは、いざという時にはサバイバルのスキルとしてきっと役に立つだろう。

 

【ブリティッシュブッシュクラフト】

https://britishbushcraft.jp/

@british_bushcraft_japan

※本記事は『ブッシュクラフターズ』(山と溪谷社刊)に加筆・修正を加え、再編集したものです