■おみくじの価格に怯む

 さすがおみくじの数も多い! 普通のおみくじ、三角みくじも可愛い。あっ、奥にある「はにわおみくじ」カワイイ! ……せっ、千円!!? 

 円安が関係しているのだろうか。いやまさか。場所的に「はにわ」へのリスペクトの強さを反映してのことだろうか。ぬうう、なんにしても強気な価格!

様々なおみくじが売られていた

 普段の私なら手を出さない。財布の紐は固い方なので三角みくじにしただろう。けれど、この日は秋晴れが気持ち良すぎた。すべてを受け入れたくなるほどに。

 そしてなにより、百舌鳥八幡宮に来る前、私は「ゴルゴ13 原画の世界展」に寄ってしまっていたため、スイス銀行に100億円預金があるくらいに気持ちが大きくなっていた。

 「千円? フッフッフ、いいだろう。前金で出そう……」

 と、おみくじを引く前に、デューク東郷のテンションで華麗に千円札を渡したのだった。しかし、千円を渡したあとすぐ素に戻り、

 「ぬおおおお千円もするんだから慎重に! 慎重に選ばねば!! 馬にするか! はにわにするか!! 緑? オレンジ? キィィッ!!」と震える手でオロオロ迷うこと数分。結局緑の馬を選び、もう一度デューク東郷を召喚。

 「任務は終わった――。私の背後に立つな。ライフルが火を噴くぜ」と赤く染まりつつある鳥居をニヒルに見つめ、中百舌鳥駅へと帰ったのだった。

 改めて思い出せば、我ながらただの情緒不安定である。社務所の方はさぞ怖かっただろう。

 さて開封……なのだが、私は少し前に玉造神社で二度も凶を引いている。今回も凶だったらどうしよう。さすがに千円も出して凶はいろいろ気持ちが混乱しそう。神様を恨んでしまうかもしれない。そんなの嫌!
開けよう、怖い、開けよう、待って凶だったら。いや開けよう。後にしよう!

 おみくじの前で頭を抱えたり手を伸ばしてやめたり、のたうち回ること数時間、キリがないとトリャッと開けたら「吉」だった。

いつもより豪華に敷物も引いてみました

 これはこれでフツー過ぎるような気がします、神様!

 「どないせいっちゅうねん!」と、天からツッコミが聞こえてきそうなので、「心におごり生ずると災いあり」という一文を胸に、謙虚に過ごしていこうと思います……。