日本各地で本格的な雪山シーズンを迎えている。山頂付近が雪で白く覆われた富士山が一番綺麗に見える季節といっても過言ではないだろう。今回は雪化粧した富士山の景色を楽しめるハイキングコースの紹介をしたい。

■戸田峠から達磨山までのハイキング

 達磨山(だるまやま)は、静岡県沼津市と伊豆市の境界にある標高982mの山。静岡百山や日本百低山に選定されており、山名の由来は座禅した達磨大師に似ていることから由来している。達磨山は比較的温暖な西伊豆に位置するため、登山シーズンは長い。今回紹介するのは達磨山までのハイキングコースだ。

登山道から望む達磨山の山頂付近

 スタート地点となるのが「戸田峠(へだとうげ)」となる。戸田峠は駐車スペースがあるが、西伊豆スカイラインの入口にもなっており、ハイカーだけでなくドライブで立ち寄った人たちで賑わうことから早い時間帯の到着がベターだ。

 戸田峠からスタートし、「小達磨山(こだるまやま)」を経由し、達磨山に登って帰ってくるコースで、距離にすると約4km、往復で約2時間15分ほどの山歩きとなる。全体を通して起伏は緩やかなので、初心者や親子での登山にも向いているおすすめの山だ。

小達磨山に向かう登山道

 戸田峠から、まずは標高890mの小達磨山を目指す。登りが続くが、整備された登山道は歩きやすく、木々の少ないひらけた箇所も多いので気持ち良く歩ける。

 12月の降雪は滅多にないが、標高は800mを超えるため朝晩は冷え込む。日中に気温が上がると霜がとけはじめるので、登山道は泥状になるところも増える。パンツを汚れから守るため、ゲイターを携帯するのがベターだ。

小達磨山へ向かい標高を上げると見えてくる富士山

 小達磨山までは約35分、山頂からの眺望はなく休憩できるようなスペースもないので、時折見える景色を見ながらそのまま歩き続けよう。小達磨山からは一旦下りとなり、登山道と並走する西伊豆スカイラインに合流する。

 合流してから短い区間ではあるが、歩道のない車道を歩く。距離にすると大体50mほどだが、車にはくれぐれも注意してほしい。

達磨山へと続く登山道。両側を笹に覆われ、木々もなく眺望を楽しみながら歩ける

 小達磨山から達磨山までの道のりはだいたい40分。車道から登山道に戻ると山頂までは急な登りとなるが、眺望を楽しみながら歩ける区間だ。

 戸田峠から約1時間15分で達磨山に到着する。山頂からは360度の展望が望める。筆者が訪れた時は雲が多く残念ながら見えなかったが、天気がよければ赤石山脈(南アルプス)や御前崎(おまえざき)まで眺望できる。 

達磨山の山頂から見た富士山。登り始めた時は晴れていたのに山頂到着時には雲がかかってしまった