■サッポロテイネの攻略法
ここでは中西太洋流のサッポロテイネの滑り方を聞いてみた。パウダーの日といつもの日常、それぞれ、どう滑っているのか語ってもらった。
■北かべ、女子大ともに狙いはスキーヤーズレフト
●パウダーの日は言わずもがな。北かべへ一直線に決まり
テイネはいろんな方向から風が吹きますが、もっとも雪を降らせる風は石狩湾から吹いてくる北風です。
パウダーの日は、風の吹き方を意識しながら、朝イチから北かべへ向かいます。風の吹き方で雪の溜まっている場所は毎回変わりますが、だいたいスキーヤーズレフト側に溜まることが多い気がします。
なので、僕の北かべルーティンは、まずスキーヤーズレフトに向かってスキーを落とし込みます。ちょっと木が濃くなるまではレフトを滑り、もう滑れないっていうくらい目の前の木々が密集してきたら、その日の雪の具合によって、さらに左へ行くか、右へ進路を変えるかという感じです。
2、3本はノーラックの北かべを滑れるので、2本目以降はリフトから他の人が滑っている様子を観察しながら、次のラインを考えます。
降雪のない時の北かべはコブができて、けっこう深い。とくに真ん中あたりに多いので、パウダーの時に調子に乗って滑っていると、隠れているコブに弾かれる可能性もあります。
それに切り株もあったりするので、その点に注意しながら、コースの両端のどちからを狙って、北かべのパウダーは攻めたいですね。
ちなみに、北かべは全長1500m、最大斜度36度、ならしても20度はあります。
北かべだけでも十分に満足できますが、その後もパウダーが残っていれば、女子大やネイチャーゾーン、最後に回転バーンへ行きます。あとは足が持つまで、荒れた斜面を滑りまくるっていう流れですね。
●女子大コースのあらゆる場所を滑り込む
雪が積もっていなかったり、降ってない日は女子大のピステンが最高に気持ち良いので、そこを満足するまで滑ります。ここは全長2000m、最大斜度が34度で、平均16度。
北かべよりは斜度は緩いですが、距離があります。途中で斜度変化が3度あり、大きく左へとネジれた斜面になります。スキーヤーズレフトへ行くほどに斜度がありますが、そのぶん人もあまり滑っていないので、そのラインが一番面白いですね。右側は緩めで中盤以降は緩やかなバンク地形になります。3段階に斜度が落ち込んでいるところでは、軽くジャンプというか、自然とジャンプターンのような感じになって、斜度変化が楽しめます。
斜度変化はスキーヤーズライトのほうが飛びやすいですが、下のほうへ行くとスキーヤーズレフトでも飛べるんですよ。着地面も急なので、いい位置に乗っていないと加速します。最後の斜面変化、要は迂回路のきっかけを利用してしっかり飛び、リフト乗り場に向かって流すのがお決まりのパターンです。雪質や積雪、時期によって、コースの様子は変わるので、いつ行ってもその時なりに滑りごたえがあります。
女子大の圧雪斜面をひと通り滑ったら、荒れた北かべへ向かいます。凸凹の斜面でもスピードを落とさないで滑れるか。足が疲れてもう満足というまで滑ります。
時には山頂裏のシティビュークルーズで緩くカービングをする時もありますよ。ちなみに、風でどこも開いていない時に、オリンピアゾーンで一番斜度のある聖火台コースを狙って滑りに行くこともあります。
リフト券:大人1日6600円 ※12/23~2/4:6900円
住所:札幌市手稲区手稲本町593
アクセス:
クルマ⇒新千歳空港から高速利用約60分、札幌市中心部から約40分
電車・路線バス⇒JR手稲駅からJR北海道バス約16分
【「BRAVO SKI 2023 vol.2」より再編集】