■東近江トレイルの一部「猪子山〜繖山」
今回歩いた「猪子山〜繖山」はJR能登川駅から猪子山、繖山、箕作山(みつくりやま)を経て、JR八日市駅までを結ぶ「東近江(ひがしおうみ)トレイル」の一部である。トレイルは東西に長く、東に鈴鹿山系、西に琵琶湖が見える。
猪子山は例年、秋の「タカの渡り」で有名な山である。渡りをする種のタカのうち、2023年9月5日~11月8日までの間に10767羽がここで観察され、多い日は1日に2000~3000羽のタカが見られる。
一方、繖山には戦国時代、中世五大山城のひとつ「観音寺城」が築かれていた。山城とは視界が良い「地の利」を活用して建てられた戦うための城であり、登山道の眺望の良さも納得できる。滋賀県には中世五大山城がもう一つあり、長浜市にある小谷城(おだにじょう)もその一つである。
■コースと下山後のアクセス
今回筆者が歩いたコースと標準タイムは以下の通りである。
能登川駅〜猪子山公園(登山口)~猪子山山頂:45分
猪子山山頂〜雨宮龍神社(あめみやりゅうじんしゃ):45分
雨宮龍神社〜繖山:40分
繖山〜北腰越(きたこしごえ)登山口:50分
北腰越〜安土駅:30分
北腰越登山口からJR安土駅までは2kmほどあるが、車の往来の少ない田園地帯の中をのんびりと歩いて行ける。途中で後ろを振り返ってみてほしい。中世の山城「観音寺城」がどんな場所に築城されていたかを感じられる。
今回のコースは、能登川駅から安土駅まで計4時間弱ほどの行程である。低山なので積雪の心配も少なく、冬場は汗もかきにくいので、そのまま帰りに仲間たちと乾杯もできる。
筆者は午前中に登山を開始し、午後の早い時間に下山できた。下山後は京都駅まで電車で移動し、仲間たちとのんびりとビールを味わった。
魅力満載の縦走ルートを、下山後のご褒美とセットで、楽しんでみてはいかがだろうか。