12月に入り、いよいよ本格的な冬が始まった。雪山装備の必要な積雪のある高い山を避け、1,000m級の低山を登る人も多いだろう。ただ低山といえども冬季の天候リスクは変わらない。登山歴9年の筆者も初めて冬の京都北山に登ったとき、雪が降ってきて準備不足のために寒い思いをした苦い経験がある。
この記事では、12月に1,000m級の低山を登る初心者向けに冬特有の「落とし穴」と、マストアイテムの冬装備を紹介する。
■12月 “1,000m級の低山”でも必ず準備しておきたい「登山グッズ5点」
12月の低山登山では通常の日帰り装備に加え、万が一に備えて以下に紹介する5点の登山グッズを準備しよう。
1. 防寒具【フリースジャケット、ダウンジャケット、手袋、ネックウォーマー、耳がかくれる帽子、使い捨てカイロなど】
2. ヘッドランプ【予備の電池を含む】
3. 軽アイゼン
4. スマホのモバイルバッテリー【できれば紙地図とコンパスも】
5. レインウェア
なぜ上記の5点が必要かについては以下、シーン別に説明したい。
■「意外にも気温が低かった」
低山であっても意外に寒い。標高が100m上がるごとに気温は0.6℃下がり、標高1,000mの山だと平地から6℃下がる。風が吹くと体感温度はさらに低下する。
体は歩けば温かくなるが、手は常に外気にさらされて冷たい。休憩で立ち止まるたびに汗ばんだ体が冷えていくのを感じることが多々あるので、登山の際は必ずフリースジャケットやダウンジャケット、手袋、ネックウォーマー、耳がかくれる帽子、使い捨てカイロなどを防寒具として持参しよう。
たまにダウンジャケットを行動中に着用している人を見かけるが、濡れると保温力が低下してしまうので、なるべく休憩中のみに着用することをおすすめする。
■日没が「早かった」
冬は日が短く夏と同じ感覚で登山を計画すると、下山時刻が日没を過ぎてしまうことがある。樹林帯の中は日光が届きにくく、登山道はさらに暗い。特に背の高い木が生えている針葉樹林帯は15時を過ぎると薄暗くなり、ヘッドランプが必要になる場合もある。
12月の登山では14時頃を下山の目安にして計画を立て、遅くとも15時過ぎには下山完了するようにしよう。また、アクシデントなどで下山が遅れた場合に備えて、ヘッドランプと予備の電池は必ず装備しておこう。