1,000m以下の低山を中心に、月1回か2回程度の日帰り登山をライトに楽しむ筆者のような登山者にとって、秋から冬は悩ましい季節だ。10月時点で冠雪し、すでに山小屋が営業を終了している山域もある。
年末年始に向け、雪山講習などを受けて雪山デビューを目指すのもいいが、時間もお金もかかり、そもそもハードな雪山は怖い。しかし、できれば日帰りで、積雪の心配もほとんどなく、高尾山を登れる程度の体力や技術で楽しめる山はないだろうか。
そんなわがままな条件に当てはまるのが、JR中央本線の高尾駅からわずか2駅先の藤野にある、標高400m前後の金剛山、峰山、八坂山、日連山、宝山が連なる日連(ひづれ)アルプスだ。
本記事では、秋から冬にかけて登りやすく楽しい山行が体験できる日連アルプスの魅力を紹介しよう。
■秋から冬にかけてこそ歩きたい日連アルプス
日連アルプスのコースタイムは約2時間で、ゆっくり歩いても4時間ほど。静かな尾根伝いの道を満喫できる山並みが魅力だ。日没の早い秋冬に、安心して登れる日帰り低山としては申し分ない。
日連アルプスは樹林帯を歩くローカルコースのため、夏は藪や虫などに阻まれ、歩く人はぐっと減る。しかし、冬枯れになった11月、12月は藪、虫が減り一気に歩きやすくなる。秋冬は日暮れまでに登山口に辿り着けるか心配な方にも、おすすめの日帰りコースだ。
■静けさは、日連アルプスの魅力のひとつ
秋冬の日連アルプスの魅力のひとつは、冬枯れの静かな山をゆっくりと歩けるところ。
人気の高尾山エリアではしばしば登山者と出会う。悪いことではないが、渋滞に巻き込まれるなど自分のペースで歩くことが難しい場面も少なくない。
日連アルプスは藤野駅を出て南へ進路を取り、車道歩きで地元の方とすれ違う程度で、山中でも3組のハイカーと出会ったのみ。それぞれが自分のペースで山歩きを楽しんでいる様子だった。