■渡辺橋からダイビル本館へ
駅から上がって、堂島川沿いに設けられた遊歩道を歩く。2分ほど歩いて四つ橋筋をわたると、渡辺橋駅に到着だ。
渡辺橋駅の構内にも、大江橋同様テナントスペースがあり、こちらはいくつかの店舗が入居しているようだ。しかし、やはり日曜のためなのか全店休業中である。
渡辺橋駅から地上に出て、少し歩くとレトロな外観のビルが見えてくる。ダイビル本館である。
完成は2013年と新しいが、もともとこの場所には1925年に建てられた「旧ダイビル」が存在していた。それを解体して新ビルが建てられたのだが、低層部外観は旧ビルの部材を再利用して大部分を復元。かつてのイメージを、いまに残しているのである。
このダイビルの2階からは、大阪中之島美術館まで歩行者デッキが通じている。自動車の通行を気にせずに美術館や市立科学館まで行けるのでオススメだ。
■大阪大学創設の地
さらに堂島川に沿って歩けば、フェンスの向こうに「大阪大倉商業学校跡」の石碑。すぐ近くには「大阪府師範学校跡」の石碑がある。
大阪大倉商業学校は関西大倉高校の前身、大阪府師範学校は大阪教育大学の前身だ。そして、石碑の前にあるのが大阪大学中之島センター。
この場所は大阪大学創設の地であり、センター前には小さな庭園があって、広島藩などの蔵屋敷の礎石とされる石材を再利用しているという。
このように、中之島の蔵屋敷跡は行政や金融、教育といった施設や組織が集中した。蔵屋敷の廃絶は大阪経済に一時的な衰退をもたらしたものの、この廃絶があったからこそ、近代化に必要なインフラが確立したともいえるのである。
つづく