■2023年 第5位【十勝岳】壮大なスケールとグランド噴火口

植生のない登山道と十勝岳山頂

 第5位は、北海道にある日本百名山「十勝岳(とかちだけ)」である。植生は少なく頂上付近に草花はほぼない、無機質な山だ。噴煙をあげるグランド噴火口を見ながらの登山は異世界の山を登っているようであった。

噴煙をあげる十勝岳の噴火口

 十勝岳は、北海道石狩山地に位置する標高2,077mの活火山である。標高930mの登山口の望岳台(ぼうがくだい)からは旭川、富良野の景色を見下ろせ、遠くには大雪山山系の主峰旭岳をはじめ、美瑛岳(びえいだけ)、美瑛富士、上富良野岳が見える。北海道の山に登るのが初めての筆者にとって、登山中振り返るたびに見える北海道の壮大な景色は圧巻であった。

振り返ると眼下に見える、旭川、富良野の景色

 今回、筆者が歩いたルートは下記の通り。登山道は、砂とガレた岩場なので、下りは特に注意が必要だ。また、道標と岩に描かれたマーキング印以外に目標とするものがほぼ何もないので、視界不良のときは道迷いのリスクがかなり高い山であることも意識して歩こう。

 所要時間は、約7時間10分(休憩含まず)。

望岳台 → 十勝岳避難小屋 → 昭和噴火口 → グランド噴火口 → 十勝岳山頂 → 往路を戻る

●【MAP】十勝岳望岳台

アクセス:北海道富良野市中心部より一般道を約36km走る

 

■竜ヶ岳が「1位」のワケとは

 今回、紹介した山はどの山も素晴らしく甲乙つけ難かった。実は、1位の竜ヶ岳以外はすべて日本百名山である。その中で、竜ヶ岳を1位とした理由は、関西在住の筆者にとって「家の近くにこんなにも素晴らしい稜線と、美しい渓谷を持つ山があったんだ」と、心を大きく動かされたからである。

 日本アルプスなど遠い地域にある標高の高い山々は美しく見え、憧れでもある。しかし、身近なところに存在する里山にも心を動かす景色は広がっていることに気付かされた、2023年の山行であった。

※この記事の情報は2023年10月現在のものです。