■2023年 第3位【石鎚山】天狗岳の紅葉
第3位は、四国にある日本百名山の一つ、石鎚山(いしづちさん)の最高峰「天狗岳」の紅葉である。弥山から見える天狗岳は天に向かって鋭く尖っており、その山肌は紅葉によって彩られ、まるで山が燃え上がっているかのように見える。
石鎚山は愛媛県西条市に位置する標高1,982mの西日本最高峰の山。晴れた日に紅葉最盛期の天狗岳が見える確率はごくわずかである。というのも石鎚山は曇天日数が年間を通して多く、晴天日数は約31日しかないと言われるくらい頂上がガスにつつまれていることが多いからだ。10月中旬のこの日は風もなく終始晴れて、最高の登山日和であった。
石鎚山頂上へはロープウェイを利用するルートがおすすめだ。石鎚山は鎖場が有名であるが、鎖を使わなければ初級者でも難しくない。しかし、階段の多いルートなので覚悟しよう。
所要時間は標高1,280mのロープウェイ山頂より往復5時間ほど(鎖場なし、休憩含まず)。鎖場や天狗岳へ登るなら、3点確保の技術と岩稜歩きのトレーニングが必要で、さらに所要時間は増える。
石鎚山ロープウェイ山頂 → 石鎚神社中宮成就社 → 八丁坂 → 剣山 → 夜明峠 → 弥山 → 往路を戻る
●【MAP】石鎚登山ロープウェイ 山麓下谷駅
アクセス:松山自動車道「いよ西条IC」出口より一般道を約30km走る
■2023年 第4位【雨飾山】山頂で女神に出会う
第4位は、新潟県糸魚川市(いといがわし)と長野県小谷村(おたりむら)の県境に位置する日本百名山の「雨飾山(あまかざりやま)」である。登ってきた登山道を山頂から見下ろすとこんな景色が見える。
登山道が描くラインが、女神の横顔になっているのだ。まさに人と自然が築き上げた奇跡のアートである。
また、雨飾山山頂ではハッピーバースデーの飾りを掲げて記念撮影するたくさんの登山者に出会った。不思議に思っていると、一緒に登ったメンバーの1人がそれに気付く。「俺の生まれた年だ!」、今年還暦を迎えた彼が嬉しそうに声をあげた。
山頂の標識には「1,963m」の文字が刻まれている。標高1,963mの雨飾山は2023年に還暦を迎える多くの登山者たちで賑わっていたのだ。彼にとってまさに一期一会の出会いの山となった。
ブナ林と広葉樹の森を抜ける登山道は、秋には美しい紅葉のトンネルとなる。今回筆者が歩いた、雨飾高原キャンプ場から山頂をピストンするルートは多くの登山者で渋滞し、予想以上に時間がかかった。雨飾山へ登るときは十分な時間の余裕を持ってのぞもう。
所要時間は約7時間10分(休憩含まず)しかし、実際には登山道の渋滞のため、8時間30分ほどかかった。
雨飾高原キャンプ場登山口 → 荒菅沢(あらすげさわ)→ 笹平 → 雨飾山山頂 → 往路を戻る
●【MAP】雨飾高原駐車場
アクセス:北陸自動車道「糸魚川IC」出口より一般道を約40km走る