■一面に湿原が広がる尾瀬ヶ原を散策する

尾瀬ヶ原と至仏山(撮影:川村 亨)

 見晴新道は、道がかなりぬかるんでいた。滑らないよう慎重に歩き、見晴の山小屋が並ぶところまで下る。山小屋に着く頃には雨はすっかり止んでいた。山小屋でチェックインを済ませ、すぐ近くの尾瀬ヶ原の湿原を散策する。

 湿原の真ん中には木道が延びており、湿原の中を突っ切るように歩ける。燧ヶ岳からは一望できた尾瀬ヶ原だが、実際に目の前にすると全体が見通せないほど広いのがわかる。広大な湿原を散策していると、なんとも開放的な居心地を感じられる。さらに、湿原の両端には燧ヶ岳と至仏山が見えるため、湿原の奥にそびえ立つ山々の景観がまた美しい。

雨天時の尾瀬ヶ原(撮影:川村 亨)

 翌日、雨が降る中、見晴の山小屋を出発する。2日目は見晴から沼尻方面で尾瀬沼を経由して沼山峠へと下る。出発してすぐに尾瀬ヶ原へと寄り道してみると、湿原が前日よりも色合いが深まって見えることに気がついた。時間帯や天気によっても、湿原の見え方が変わるのが面白い。

■尾瀬のシンボル「尾瀬沼」

尾瀬沼(撮影:川村 亨)

 見晴から沼尻平へと歩いていくと、そばには尾瀬沼がある。尾瀬沼の周りには7㎞に渡り木道が敷かれており、沼の周りをぐるっと1周できるようになっている。尾瀬沼の北側を歩いたが、木々に視界を遮られ尾瀬沼がよく見えないことが多かった。そのため、個人的にはミノブチ岳から尾瀬沼を見下ろす景観のほうが好きだ。前日に登ったミノブチ岳の頂上から一望した尾瀬沼は、森林に囲まれた中に大きな沼があるなんとも神秘的な光景だった。

ミノブチ岳から見下ろす尾瀬沼(撮影:川村 亨)

 沼尻平から、尾瀬沼の対岸にある尾瀬沼ビジターセンターに立ち寄った。本来であれば、そこから燧ヶ岳が望めるのだが、天候が悪かったため山容が隠れてしまっていた。少し休憩をとった後、大江湿原を通って沼山峠へと下山した。

■【秋の尾瀬】黄金色に輝く草紅葉の中を散策しよう

 尾瀬には大小さまざまな湿原があり、草紅葉を見にいくならピッタリの場所だ。9月下旬は湿原が黄金色に染まっていたが、10月になるとさらに色が深まり、木々の紅葉も楽しめる時期になる。尾瀬の見どころやビュースポットを参考に、秋の尾瀬を堪能してみてはいかがだろうか。

(※10月になると燧ヶ岳は冠雪する可能性がある。燧ヶ岳に登るときは天候を確認しよう)

 

●【MAP】尾瀬ヶ原