■泊まりで行く登山の醍醐味「朝夕の時間」

 冒頭でも少し触れたが、泊まりでの登山の醍醐味と言えば、日帰りでは見ることのできない景色だ。その代表が夕方の時間帯や日の出の時間帯だろう。

 日中にみる景色も十分に楽しませてくれるが、夕方にはその景色はまた違ったものとして見ることができる。

日が沈む時間帯の景色。同じ山でも日中とは違う景色にみえる(撮影:山歩ヨウスケ)

 そして日が昇る時間帯には北アルプスの山々を見事に赤く染めてくれる。

山々が日に当たって赤く染まることを「モルゲンロート」という。常念小屋のキャンプ地からキレイに見ることができた(撮影:山歩ヨウスケ)

■時間に余裕のある登山ルートで体力に自信のない初心者にもおすすめ

 2日目、日の出の特別な景色を楽しんだ後はゆっくりと通ってきたルートを下山するだけ。日帰りでもできないことはない登山ルートを1泊することで体力的にも時間も、余裕のある登山ルートになるので初級者におすすめである。

 筆者自身も初めての北アルプスは常念岳で、常念岳登山の経験がより山を好きになるきっかけとなったのは間違いない。

 これから季節は秋を迎える中で、平地より一足も二足も早く訪れる紅葉を楽しみながら北アルプスを歩いてみてはどうだろうか。

 

●【MAP】一ノ沢登山口駐車場