■まず、登山口までのアクセスにハードルあり

マイカーの場合、民宿の駐車場を利用する

 メインルートの作場平から登る場合でも、笠取山登山のネックになるのがアクセスの悪さ。バス利用をする場合は、山頂の西側に位置する新地平を使うしか選択肢がなく、作場平や将監峠入口はマイカーかタクシーでのアクセスとなります。まあ、このアクセスの不便さがあるからこそ、このルートの素晴らしさと登山者の数が比例しないんですけどね……。

 ちなみに、将監峠にマイカーでアクセスする場合は、登山口にある民宿の駐車場を利用します。路上駐車は絶対厳禁。登山道情報のリサーチを兼ねて、事前に予約の電話を入れておくのが安心です。

■稜線への合流部分は、熊笹で登山道が見つけづらいので要注意

将監峠のテント場は広々

 登山口までのアクセスに時間がかかるので、初日は無理をせず将監峠で刻み、テント泊でのんびりと静かな山の夜を満喫することをおすすめします。取材時はとても天気に恵まれた9月のシルバーウィークで、アルプスがどこも大混雑していた日だったのですが、登山口から将監峠を経由して笠取山に至るまで、出会った登山者はたったの1名のみでした。

豊富な湧水が最高に美味いテント場です

 将監峠のテント場は広々しており、さすが水の山、おいしい湧水がジャバジャバ流れ出ています。ここから稜線の登山道に出るまでが、ルートの核心部。時期によって、熊笹が覆い茂っていて道が分かりづらいので十分注意してください。

登山道を見失わないよう注意

 登山道にさえ出てしまえば、あとは細かいアップダウンを繰り返しながら、気持ちの良い岩と森の稜線歩きが続きます。春にはシャクナゲが咲き乱れる美しい道です。

 道中、西御殿岩に立ち寄れば、素晴らしい眺望を楽しむこともできます。ルート上には唐松尾山というピークもありますが、残念ながらここは展望がありません。