■登山ルートは中〜上級者向け

岩場やガレ場が多いため注意が必要
歩きやすい道も

 十勝岳の登山ルートはさまざまあり、5つの登山口からアタックできる。

・十勝岳温泉登山口:5月上旬〜10月中旬まで、駐車場あり、宿泊施設あり
・吹上温泉登山口:5月上旬〜10月中旬まで、駐車場あり、宿泊施設あり
・白金温泉望岳台登山口:5月上旬〜10月中旬まで、駐車場あり、宿泊施設あり
・美瑛富士登山口:5月中旬〜10月下旬まで、駐車場あり
・布礼別原始ヶ原登山口:駐車場あり

 それぞれの登山口から十勝岳の近辺には、三段山や富良野岳、美瑛岳や上富良野岳などさまざまな山があるため、どの山を登るかによってルートが異なる。筆者は十勝岳温泉口から上富良野岳、上ホロカメットク山を抜けて十勝岳に向かうルートを進んだ。

 北海道は高緯度に位置するため、標高2,000mを超える十勝岳は、本州の山で例えると3,000m級に匹敵する気候であると言われている。どのコースを選んでも中〜上級者向けであるため、十分な知識と経験を積んでから登山に臨もう。

■ダイナミックな景色&登山後の温泉でリフレッシュ

立ち上がる火山ガスがはっきり見える
火山ならではの雄大な景色

 十勝岳の魅力は紅葉だけではない。活火山である十勝岳ならではのダイナミックな景色が見られるのも魅力の一つだ。火口から噴出する火山ガスや赤茶けた山肌など、火山でしか見られない光景を直近で見ることができる。

 火山の恩恵を受けている一つが、十勝岳の麓にある「吹上温泉(ふきあげおんせん)」だ。吹上温泉は、無料で入れる混浴の露天温泉。ドラマ『北の国から』に登場し、地元民だけでなく観光客からも一躍有名になった。脱衣所や洗い場はないが、温かいお湯に浸かるだけで登山の疲れを癒してくれるだろう。女性はタオルや水着の着用が推奨されている。

 秋の十勝岳は9月中旬からの紅葉、ダイナミックな景色、周辺の観光地など魅力が詰まった山である。雪が降ると登山の難易度や危険性がさらに高まるため、寒さが厳しくなる前に行くことをおすすめする。秋を先取りしに、北海道まで足を延ばしてみてはいかがだろうか。