気温が冷えてきて秋の気配を感じる機会が増えてきたが、秋を感じる代名詞の一つといえば赤や黄に色づく紅葉ではないだろうか。しかし紅葉は、平野では11月中旬から12月中旬、山間でも10月下旬からと基本的に晩秋にしか見ることができない。早く紅葉を楽しみたい人には、北海道がおすすめである。
筆者が特におすすめする場所が、北海道の十勝岳(とかちだけ)から見る紅葉だ。百名山にも選ばれている十勝岳は、北海道の名だたる観光名所がある美瑛・富良野エリアに位置する。
十勝岳では、9月中旬から色づく木々たちを見ることができるのだ。今回は、そんな十勝岳の魅力をお伝えしていく。
■十勝岳がある美瑛・富良野は観光にもおすすめ
十勝岳がある美瑛・富良野エリアは、札幌から2時間ほど、旭川空港から約30分でアクセスできる比較的「街に近い山」である。絶景スポットとしても人気のあるこのエリアには、今回紹介する十勝岳だけでなく「青い池」「白ひげの滝」「パッチワークの路」などさまざまな観光名所があり、登山と併せて観光地巡りもできるのが魅力の一つだ。
■登山口付近で色づく高山植物たち
標高2,077mの十勝岳は、標高1,000mを超える登山口から30分ほど歩くと、すぐに高山植物が広がるエリアにたどり着く。9月中旬を過ぎると、コマクサやチングルマ、コケモモなどの高山植物たちが色づき始め、山の雰囲気が一気に秋仕様に変化する。9月中旬から緑と赤・黄のグラデーションを楽しめるのは、北海道ならではの魅力だと言える。
十勝岳の紅葉の色づき状況は、公式ホームページから指数を知ることができる。筆者は紅葉指数20%とされる2022年9月12日に十勝岳を訪れたが、心躍るような紅葉の色づきを感じることができた。前年は9月15日の段階で紅葉指数が40%、9月22日の段階で見頃である60%、9月28日に80%を迎えていたので、今年もこの時期を狙ってみてはどうだろう。
■車で行ける十勝岳望岳台も
中〜上級者レベルの十勝岳。頂上までの登山道で見る景色ももちろん素晴らしいが、標高930mの中腹にある望岳台からでも十勝岳の紅葉を望むことができる。
望岳台までは車で行くことができるため、登山に自信のない人や家族連れも安心だ。約45分で散策できる遊歩道もあるため、十勝岳の雄大な景色を見ながら手軽に登山気分を味わうことができる。
・十勝岳望岳台
住所:北海道上川郡美瑛町白金
駐車場:あり(無料)
休業日:冬季閉鎖
URL:https://www.biei-hokkaido.jp/ja/sightseeing/mt-tokachi-obesevatory/