■甲府の老舗料亭で実食!
甲府中心地で40年近く続く老舗割烹でありながら、ランチタイムは魚中心の定食が人気で近隣のサラリーマンで賑わっている。夜はコース料理中心で、そのひとつに“富士の介尽くし”コースがあるという。エラと中骨の唐揚げ、内臓は山梨名物の鳥もつ煮風にして突き出しに。刺し身、寿司、焼き物、あら汁、茶碗蒸し、しゃぶしゃぶ、だし茶漬けと続き、富士の介のすべてが楽しめる。さらに富士の介のデザートも構想中だという。「割烹 三井」の大将、日原雅彦氏に富士の介の魅力についてお尋ねすると、たちまち日原氏の表情が明るくほぐれた。「令和元年に富士の介が出荷されるようになったとき、初めて味わい、そのおいしさに驚きました。それ以来ずっと使っています」
刺し身と焼き物を試食させていただいた。焼き物は適度に脂がのっていて上品な口当たり。確かにふわっと上品なサケの香りが広がる。箸を入れた瞬間に身質のやわらかさ、肌理の細やかさに驚かされる。鮮やかなオレンジ色の刺し身は、とろけるような食感でも、脂はきつくなく軽やかな食べごたえ。そして新鮮で全く臭みはなく、ほのかに甘い余韻に誘われ、ついもう一切れ食べたくなる。実は富士の介のこのおいしさは科学的にも証明されているそうだ。
水産技術センターが富士の介の筋肉100gあたりに含まれる旨み系アミノ酸を測定した結果、アスパラギン酸、グルタミン酸、どちらもニジマスの1.6倍含まれることがわかったのだ。さらに嬉しいことに、富士の介はキングサーモンに比べて高タンパクで低脂肪だという。富士の介はその美味しさでグルメの期待に応えるだけでなく、現代人の健康志向というニーズにも合ったプレミアムなサーモンなのだ。
キングサーモンの血を引く魚は全国で唯一、山梨県オリジナルのブランドサーモン、この富士の介だけ。「富士山のように養殖魚の最高峰になって欲しい」開発に取り組んだ山梨県水産試験センターの思いは料理人に引き継がれ、そのおいしさが認められつつある。今は主に山梨県内の飲食店で提供されているが、首都圏など県外で富士の介が味わえる機会は増えてゆくだろう。
■ジャパン・インターナショナル・シーフードショーで富士の介に出会える
8月23日から25日まで東京ビッグサイトで開かれている「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」では、水産養殖の最先端が体験できる場に、富士の介も出品されているという。山梨県が誇るブランドサーモンに出会えるチャンスだ。
日 時:令和5年8月23日(水)~ 25日(金)
午前10時~午後5時(最終日は、午後4時まで)
場 所:東京ビッグサイト 東館
サイト:https://seafoodshow-japan.com/tokyo/