■硫黄岳山頂からの絶景
山頂で待っているのは360度ひろがる大パノラマ。八ヶ岳の最高峰、赤岳(標高2,899m)、それに次ぐ横岳(標高2,830m)や、阿弥陀岳など南八ヶ岳の盟主が一望できる。初めての八ヶ岳で硫黄岳をおすすめしたい最大のポイントだ。
この景色を見られるだけでも最高の贅沢だが、硫黄岳山頂からは穂高連峰や槍ヶ岳など、北アルプスや御嶽山などの景色も楽しめる。
山頂は遮るものがないので風が強く、標高も高いので気温も低い。筆者が登った時(8月初旬)も山頂の気温は15℃ほどで、風がさらに体感気温を下げた。行動着だけでは寒いため、防寒着は必ず持っていくことをおすすめする。ちなみに下山した時の麓の気温は30℃超え。気温差15℃以上となった。
■下山コースは硫黄岳の爆裂火口をみながらの山歩き
硫黄岳山頂からの下山は来た道を戻るのではなく、夏沢峠を経由してオーレン小屋に戻るのがおすすめだ。硫黄岳の火口は、山頂よりも夏沢峠に向かう登山道からの方が迫力満点で圧倒される。
硫黄岳の火口の崖や、となりの天狗岳の景色を眺めながらの下山は常に景色を楽しめる。
夏沢峠までは急なガレ場が続くので、注意しながら下りたい。約1時間ほどで夏沢峠に到着。八ヶ岳を北と南に分ける境の夏沢峠には山小屋「ヒュッテ夏沢」があり、トイレが設置されており、1回100円で利用できる。
夏沢峠からオーレン小屋まではおよそ25分ほど。オーレン小屋からは来た道を戻る。全行程、距離にして約9.3km、6時間ほどでゲートまで帰ってくることができる。
日帰りでの登山が十分にでき、高山ならではの圧倒的な景色を楽しめる硫黄岳。八ヶ岳初チャレンジにおすすめの山だ。
夏でも下界と比べれば気温が低いが、強い日差しが照りつけることもあり、行動中はたくさんの汗をかく。帽子の着用はもちろん、脱水症状にならないよう水分補給や、ウェア着脱による体温調節、こまめな休憩をしながら、時間に余裕をもって行動したい。
秋に向かっては時間帯によって気温差も変わってくる。ウェア選びなども重要になってくるので気をつけたい。標高が2,000m以上の高山となるため、装備を整えて行くことをおすすめする。