■桜平ゲートから硫黄岳山頂まで
桜平ゲートから硫黄岳の山頂まではコースタイムで約3時間。ゆっくり歩いても3時間半もあれば山頂に到着できる。
筆者が登ったのは8月初旬。夏の高山は天気が変わりやすい。特に午後は雨が降りやすく、雷雨にも注意が必要で、日帰りでの登山は早めの行動が必須となる。筆者も明るくなりだした頃にはゲートを出発した。
最初のチェックポイント「夏沢鉱泉」までは、車の通れる幅の林道歩きとなる。道幅が広く歩きやすいが、急な登りもあるのでペースを考えながら登りたい。
夏沢鉱泉から少し進むと、いよいよ登山道になっていく。シラビソの樹林帯が続き、道幅も徐々に狭くはなっていくが、危険な箇所はなく安心して歩くことができる。
夏沢鉱泉から40分ほど、次のチェックポイント「オーレン小屋」に到着。ここは硫黄岳だけでなく、天狗岳や赤岳にアプローチする登山者で賑わう。山小屋での宿泊だけでなくテント場もあるので、テント泊での登山を楽しむ人たちのキャンプ地にもなっている。
オーレン小屋には水場があり、飲料も補充できる。夏の登山では、水分補給は特に意識的に行うべき。喉が乾き切ってしまうと、必要以上の水を消費してしまい、足りなくなってしまうリスクもある。体の水分量が減ってしまうと、運動機能が下がるのでこまめな水分補給を心がけたい。
硫黄岳は初心者でも挑戦しやすい山だが、標高は2,500mを超えるので、油断は禁物。十分な水と行動食が不足しないよう注意したい。
登りではオーレン小屋から、赤岩ノ頭を経由して硫黄岳を目指すルートを選択。オーレン小屋を過ぎると、そこから一気に標高を上げていく。しばらくは樹林帯だが、徐々に木々がなくなり、ハイマツなどの低い木が目立つようになってくる。それと同時に楽しめるのが景色。振り返ればアルプスの山々が一望できる。
桜平ゲートから約2時間10分、ようやく稜線に。いよいよ八ヶ岳の盟主が目の前に現れる。
すでに標高は2,500mを超え、森林限界も超えている。風が吹き付けてくることもあり、朝7時時点での気温は11℃と低い。行動中は暑くもなるが、止まるとすぐに冷えてくるので、こまめなウエアの脱ぎ着で体温調節をしよう。
山頂までの登山道にはガレ場やザレ場もあるので、浮石への注意や、滑らないよう慎重に進んでほしい。
桜平のゲートから約2時間40分。途中、小休憩も合わせるとおよそ3時間ほどで硫黄岳山頂に到着だ。