■道標が倒れている

山頂の三叉路で倒れていた道標(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 長野県・山梨県・埼玉県にまたがる甲武信ヶ岳の山頂は、登山道が3つに分かれる分岐になっている。しかし筆者が甲武信ヶ岳に登ったときには、山頂の道標が倒れていてどっちがどっちなのかが不明な状態に。

 筆者は山には必ず地図とコンパスを持っていくので道に迷うことはなかったが、地図を忘れていたらと思うとゾッとする。

登山に出かけるときは必ず山地図とコンパスを持参しよう(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 道標が立っていても、何かの原因で方向が変わっていることもまれにある。このようなとき、地図を持たずに山に入ったり、地図を読むことができないと道に迷い、最悪の場合「道迷い遭難」につながってしまう。

 山岳遭難で一番多いのは、道迷い。これを防ぐためには、初心者でも必ず地図とコンパス(アプリでも可)を持参すること。できれば地図はアプリと紙の両方を用意したい。

■必要な装備を揃え、登山届を提出してから山に出かけよう

 筆者の「ヒヤッ」とした体験はどれも、人の多い整備された登山道での出来事だ。整備された初心者向けの登山道でも遭難は起こっている。今回紹介した事例も、一歩間違えばケガや遭難につながっていたかもしれない。

 山での事故の可能性を減らすためには、必要な装備を揃え、体調を整えて出かけることが大切。また山で会った登山者と挨拶をかわしておくことも事故の際に役立つので忘れないように。

 しかし、どんなに対策をして注意して歩いていても、万が一のことが起こる可能性をなくすことはできない。もしものときのために、必ず登山届を出してから入山しよう。