■高山植物の宝庫

稜線から池の平湿原を見下ろす。すぐ下に見えるのは鏡池(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 池の平湿原は、何万年も前に噴火した三方ヶ峰火山の火口原が湿原化した場所だ。池の平湿原は「小尾瀬」と呼ばれることもあるが、尾瀬よりも乾燥化が進み、草原のような雰囲気もある。季節によって、アヤメ、ニッコウキスゲ、マツムシソウ、ヤナギランなどが咲く。

9月に訪れた時には、湿原はヤナギランでいっぱいだった(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)
9月に湿原を彩るマツムシソウ(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 本コースはコンパクトではあるが、稜線歩きと湿原歩きの両方を楽しむことができ、6~9月にはたくさんの種類の高山植物が見られる。代表的な花々や開花状況については、「信州とうみ観光協会」のHPに詳しく掲載されているので、確認してほしい。

6月にはイワカガミが群落になって見られる(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)
6月に見られたコケモモ。登山道脇のいたるところで群落を形成していた(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)
6月に見られたツマトリソウ(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 「高山植物の宝庫」と呼ばれるだけあって、登山道の脇で見られる花々は種類が多く、あちらこちらで群落を形成する。

一般社団法人 信州とうみ観光協会 池の平湿原周辺の高山植物開花情報  https://tomikan.jp/news/ikenotaira20230605/

■三方ヶ峰までのアクセス

 上信越道・東部湯の丸IC、または小諸ICから「地蔵峠」を目指し、地蔵峠から「湯の丸高峰林道」を通って池の平駐車場に至る。湯の丸ICからは30分、小諸ICからは35分だ。林道といっても、地蔵峠から池の平駐車場までは舗装された走りやすい道路が続く。

 この「湯の丸高峰林道」は地蔵峠と高峰高原を結んでいるが、ゲートがあり夜間の通行はできない。また、高峰高原と池の平駐車場の間は未舗装のため、車高の低い車での走行はおすすめしない。

 三方ヶ峰や池の平湿原をめぐるトレッキングコースは、なだらかでさまざまな花を見て楽しめるコース。お手軽ではあるが、標高2,000mを超える高所。天候がよくないときに登るのは控えよう。また、高山病のリスクもあるため、体調が悪いと感じたら登るのはやめよう。

 アクセスがよく、多様な高山植物のお花見鑑賞が楽しめるのがこのトレッキングコースの魅力だ。高山植物が好きな人には、ぜひ訪れてほしいコースである。

●三方ヶ峰

・住所  長野県東御市滋野

・URL https://tomikan.jp/news/ikenotaira20230605/
※営業日時はホームページよりご確認ください

※この記事の情報は2023年6月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。