6月中旬から下旬に見ごろを迎える湯の丸高原のレンゲツツジの大群落は見事である。特別天然記念物にも指定されており、大群落の言葉通り朱色のお花畑がどこまでも続く。群馬県と長野県の県境に位置する「湯ノ丸山」、その山麓に広がる「湯の丸高原」は首都圏からのアクセスがよく、歩行時間も短く、お手軽ハイキングスポットとして最高なのだ。

■レンゲツツジって、どんな花?

満開のレンゲツツジ。花の朱色と、葉の黄緑色の対比が鮮やかだ(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 枝の先に、直径5~6㎝の朱色の花をつける。1ヵ所に2~8輪の花をつけ、その形がお釈迦様が座っている台座である蓮華(れんげ)の形に似ているところから「レンゲツツジ」という名がついた。山で見かけるツツジの中では大輪で、見ごたえがある花だ。

 湯の丸高原のレンゲツツジの見頃は、例年6月中旬から下旬だが、今年は1週間くらい早まるかもしれない。

■湯の丸高原のレンゲツツジをおすすめする理由

写真では伝わりにくいが、実際のつつじ平はツツジの花で満ちている(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 レンゲツツジの群落は湯の丸高原以外でもたくさん見られるが、筆者が湯の丸高原一択だと考える理由を説明しよう。

●広さ174ha、約60万株の日本屈指の大群落は圧巻!!

 湯ノ丸山の東側の斜面一帯が群生地になっている。見渡す限りレンゲツツジの中を歩くことができるのだ。

●絶景なのにお手軽に行ける!!

 湯の丸スキー場と鹿沢(かざわ)温泉の間を車で通り抜けるだけでも、窓から道路沿いのレンゲツツジの群落を楽しむことができる。

 しかし、車から降りて斜面を20~30分登ると、「つつじ平(だいら)」と呼ばれるなだらかな広い場所に出る。そこは、一面のレンゲツツジの大群落だ。

 往復リフトを利用することもできる。リフトを降りて5分もしないうちにつつじ平に到着だ。

●登山口までの道路が広く、ほとんど一本道で車でのアクセス抜群!

 登山口である「地蔵(じぞう)峠」は、湯の丸スキー場の駐車場のそばにある。公共の交通機関を利用するとアクセスがよいとはいいがたいが、自動車の場合は東京方面からは上信越自動車道小諸ICから20分、名古屋方面からは東部湯の丸ICから20分と、高速道路を降りてから近いのが魅力だ。

 登山口までの道路は山道ではあるが、わかりやすく、すれ違いに困るほどの狭い道ではない。

●駐車場が広く、しかも無料!!

 地蔵峠には1300台停められる無料駐車場があるのもポイントが高い。

■大群落までの行き方

つつじ平を思い思いに散策する人々。奥に見えるのが湯ノ丸山(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 駐車場と道路をはさんだ反対側に、リフトもレンゲツツジも見えている。

 歩いて登る人もたくさんいる。リフトの下を直登している人もいるが、リフトのすぐ東側にも道があり、レンゲツツジを見ながら歩けるので東側の道のほうがおすすめだ。

 坂を登りきり、リフト降り場と合流すると、平坦な道を5分も歩かないうちに目的地つつじ平に到着だ。つつじ平は放牧地で、入口に柵が設けられている。中に入るとツツジの木がいたるところに生えていて、どこまでも続いている。決まったコースはないので自由に歩くことができる。他の人の邪魔にならない場所でシートを広げて、ランチタイムやおやつタイムを楽しもう。